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「マイスター制度」のねらいと特長。
「マイスター制度」は、再雇用者を対象とした制度の一つである。本来、マイスターは再雇用者に限定するものではない。特定の分野において十分な知識と経験を持つ者がマイスターの資格を得て、インストラクターの役割を果たす。
「マイスター制度」は、今後予想される定年延長も踏まえて、増加する再雇用者の有効活用の手段として、新たに注目されている。従って、これからは、再雇用者を対象とした「マイスター制度」について説明する。(以下、制度とする。)
制度のねらいは、再雇用者のモチベーション向上と業務割当てにあり、制度運用によって実践的な教育を低コストで提供し、組織全体を活性化させることにある。
制度の特長は、再雇用者のインストラクター登録と教育機会の提供にある。
制度運用のポイントは、インストラクターの指導と教育ニーズのマッチングにある。インストラクターがニーズに合った教育を提供することで制度は健全に運用される。
ニーズに合った教育が受講生満足につながり、受講生に喜ばれることでインストラクターのモチベーションが向上し、教育効果が組織を活性化させる。
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再雇用者の活用は、「仕組み」と「教育」のセットで定着させる。
再雇用者活用の前提は、「みんな同じではない」ということだ。年齢は同じかもしれないが、再雇用者の状況はさまざまだ。キャリア、能力、意欲、希望、健康状態、財政状況、家族状況などは人によって違う。
従って、会社は人事施策を複数準備し、本人が選択できることが望ましい。
その一つが「マイスター制度」だ。マイスターとは、「親方・名人」のことだが、経験豊富な再雇用者こそマイスターにふさわしい。これまで身につけてきた知識や経験を、後進に伝えることが役割だ。
“自分に何が教えられるのか?”と思う人もいる。しかし、40年近く働いてきた人が、“何も伝えることがない”、ということはない。再雇用者の経験は、未経験者にとって大きな価値がある。(本人が気づいていないだけだ。)
もちろん、冒頭に書いたように本人の状況はさまざまなので、制度をよく説明し、本人が希望する場合に運用する。希望しない人もいるだろうが、全ての再雇用者を満足させる唯一の制度はない。
「マイスター制度」は、自分が努力して身につけてきた知識や経験を後進に伝える役割なので、前向きで刺激的で、プライドを保て、感謝されるので活き活きと働ける。この制度のメリットは多くの課題を解決する。
マイスターは、インストラクターとして会社の人材育成に貢献し、「社員教育」の一端を担う。内省化によって教育コストを下げることができて、脆弱なOJTを補完する。
この再雇用者と社員と会社にとってメリットの多い「マイスター制度」とは・・・
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定年退職再雇用者を活かす仕組み。
しばらく前から、人事担当者と話していると共通のテーマが出てくる。
定年後の再雇用者の活用だ。現状は、否定的な見方が多い。モチベーションの低下。割り当てる仕事がない。本社で引き取るしかない、などなど。
「改正高齢者雇用安定法」で、60歳定年後、「定年後雇用制度」を導入している企業では、本人が望めば65歳まで働くことが可能になった。社員の7割から8割は再雇用を希望する。
年金支給年齢の引き上げと「アクティブシニア」の増加で、高齢者が長く働く社会に変化している。
しかし、冒頭に書いた課題は深刻だ。数年前に役職定年を迎え、給料が徐々に下がってきたところに、定年後の再雇用で大幅に給料が減るのだ。年齢的な体力低下も老後の不安もある。
そして、役割や仕事という働く人としての大きな動機づけを失っている。
やる気を出せと言う方が、無理というものだ。人事部は、どのような施策をもっているのだろうか。
全く方法がないというわけではない。無理のない雇用契約を前提に、再雇用者に役割と使命感を与え、会社や社員が利益を得る方法がある。
それが、インストラクターとしての活用だ。
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部下が投げ返す「ボール」とは?
部下は、自分がもっているボール(共有項目)を上司に投げ返す。
その方法が、「報告」「連絡」「相談」だ。それぞれ球種が違う。
報告とは、『上司から指示されたことを、実施し、その進行状況や結果について知らせること。』
連絡とは、『上司や顧客、関係者に関係することについて必要に応じて情報のやり取りを行うこと。』
相談とは、『上司や、関係者に意見やアドバイスを求めること。』
この定義を知っているだけでは、うまくいかない。“何を”報・連・相したらいいのだろう?この判断は部下には難しい。
だから、事前に「共有項目」を話し合っておく。上司が、“何を”報・連・相させたいのか、予め指示しておくことがポイントだ。そこから、上司と部下の円滑なコミュニケーションが始まる。
情報共有の内容は膨大なので、部下は報・連・相を続けながら、情報提供の“質”、“量”、“タイミング”を理解していく。上司によって基準が違うが、基本を理解すれば、新しい上司にも短期間で対応することができる。
「ボール」を投げ返せ!
コミュニケーションは、双方向(ツーウェイ)なのでうまくいかない時は、双方の努力が必要だ。伝える側の努力と受ける側の努力だ。説明能力の高い上司と理解力の高い部下のコミュニケーションは円滑で効率がよい。
説明する上司は、自分の判断で「これで、十分わかるだろう。」と思って説明するが、部下の理解度は様々だ。これで終われば、一方的な伝達で「ビジネス・コミュニケーション」は不十分だ。
上司は「説明」をしているのだから、部下にボールを投げている。部下は「理解」が不十分と判断したら「質問」する。理解を確実にして納得したければ「確認」する。
これが、部下から上司へのボールだ。「わかりました。」も返事というボールだ。これでコミュニケーションを成立させることができる。
上司は、部下が投げ返してきたボールを受け取り、「わかっているな。」「まだ、わかっていないな。」と判断し、部下を理解する。必要に応じて補足説明をする。
ボールを返さない部下は、コミュニケーションの学習が不十分だ。ボールの返し方を学ぶ必要がある。上司は再び、「わかったかのか?反応しろ!」というボールを投げなければならない。
上司は、一方的にボールを投げ続けていると疲れる。部下には、わからなければ「質問」、理解を共有するために「確認」をしてほしいのだ。
「壁当て」ではなく、キャッチボールをしているのだから。
≪続く≫