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『共有項目』を、相互理解する方法。
仕事を中心とした上司と部下のコミュニケーションの方法は、シンプルだ。
ワークシートに書き出した「項目」を「共有」すればよいのだから、自分が持っている情報を相手に説明し、相手が持っている情報を聞く。情報が不十分なら質問する。理解が正しいか相手に確認する。
職場のコミュニケーションは、管理者を中心に行われる。まず管理者から部下へ仕事に必要な情報を説明することから始まる。方法は、情報提供と指示、命令である。
情報提供は、職場の目標、方針、評価基準、規範など部下の言動に影響を与える情報を事前に説明し理解させる。職場の組織上の責任や人事管理制度の基準を活用して、上司の願望も加え、新人を含め部下全員にわかりやすく説明する。
指示、命令の方法は、業務遂行を中心に、以下の点を留意して部下に理解させる。
1. 何を指示するのか、はっきりさせておく。(どこまで、求めるのか明確にする)
2. 部下の仕事の状況を確認する。 (どこまで、やれそうか判断する)
3. その業務の方針・考え方・成果を説明する。(実践行動の基準を示す)
4. 意欲を喚起するように指示する。(励ます、自信をもたせる)
≪続く≫
上司と部下は、“何を”共有すべきか。
どちらを対象とした「コミュニケーション研修」であっても、相手との相互理解を目指すわけだから、その共有項目をはっきりさせる。
ポイントは、上司部下の基本的な関係は仕事の関係であることから考える。必要以上に仲良くなる必要はないし、知り合う必要はない。それでも、十分快適な仕事の関係をつくることができる。(従来にはない考え方だが、この考え方が今日の上司部下間の問題を未然に防止するポイントでもある。)
企業人研修でいう「コミュニケーション」は「ビジネス・コミュニケーション」である。両者が協力して仕事を進めるための情報を共有することが目的である。
1枚のワークシートに上司と部下の欄を設け、仕事に役立つお互いがもっている情報を書き出す。上司の欄には、経営方針、経営計画、事業ビジョン、職場の使命、方針、目標、評価基準、業務計画、業務内容、手順、手続き、優先順位など上司が決めたこと、上司が先に得る情報が並ぶ。
部下の欄には、担当業務、進捗状況、目標達成率、モチベーション、チームワーク、顧客情報、取引先情報、行動計画など現場の情報が並ぶ。
お互いの性格や生年月日、自宅住所、個人メールアドレス、通勤ルートなど個人情報は、重要度の優先順位が低い。(個人情報を知っていた方が、人間関係が作りやすく、仕事がしやすいように思えるが・・・)
仕事に必要な「共有項目」を明確にすることで、余計な気を使わず、遠慮せず、忘れず情報を共有することができる。
「共有項目」の確認ができていないと、お互いに不満がつのり、疑心暗鬼になり「人間関係」が悪くなる。仕事を中心とした情報共有は、最低限必要なコミュニケーションである。お互いが許せば個人情報の共有は任意で行えばよい。
職場には、「何でも知りたがり、分かり合いたい人」と「できるだけ知られたくないし、知りたくない人」が混在している。その幅は、大きくなってきている。価値観の多様化の一つだ。
最近は「個人情報」に神経質になる社員がいることも事実だ。一方、金融機関の不祥事(一般企業でも)を未然に防止するためには、部下の個人情報の管理は上司にとって必要だ。会社のためにも、上司のためにも、そして部下のためにも。
≪続く≫
コミュニケーションは、相手を知ることが前提。
コミュニケーションがうまくいかない理由の一つは、相手をよく知らないということだ。上司は部下を知らず、部下は上司を知らない。
上司は、世代が違うことを理由に“最近の若者は何を考えているかわからない”と言う。部下は、管理者の経験がないので、“上司は、何をしているのか、現場を全くわかっていない。”と言う。
特に部下に上司の立場や気持ちを理解しろ、ということはとても難しい。その立場で働いたことはないし、マネジメントも知らない。上司が自分の気持ちを部下に打ち明けることは、まずない。
(上司は、部下の経験があるが、当時の気持ちを忘れていることも多い。)
相手の立場や気持ちを知れば、対応も変わるというものだ。ここに、研修の意味があり、講師の役割がある。
お互いを知らなければ、勘違いが生じ、感情的になり、怒り、諦め、無関心になる。これではお互いに不幸だ。
研修は、両者の間に立つ。講師が、それぞれの相手について教えればよい。管理者は、何に責任をもっているのか、何をする人か。どんな気持ちで働いているのか。最近の若者の特長は何か、どうしたらやる気になるのか、やる気を失うのか。
お互いが気持ちよく仕事ができる条件は何か。
双方の“取り扱い説明書”を提示することで、人間関係の改善を図る。お互いを認め、尊重しながら目標達成を目指す場が職場だ。その上で、じゃあ自分は、“何を”、“いつ”、“どのように”コミュニケーションするのかを考える。
≪続く≫
『コミュニケーション研修』プログラムのポイント
プログラム設計は、研修の始まりから終わりまでの“流れ”が重要だ。受講生の研修満足は、どのような順番でカリキュラムが進むか、理解、納得していることも条件の一つだ。それが研修に対する安心感につながり教育効果を高める。(それは、オリエンテーションの目的だ。)
そのために、総論から各論へ。抽象的から具体的へ。知識から技術へと構成をつくる。
一般的に『コミュニケーション研修』では、講義やスキル習得の実習場面をイメージするだろう。しかし、スキル習得の前に、“だれとだれが、“何を共有するか”、を明確にしておくことが重要だ。前者の“だれ”とは受講者で、後者の“だれ”はコミュニケーションの相手だ。
対象を特定しない、コミュニケーション学習のプログラムには必要ないが、その分問題解決にならないため教育効果も低い。コミュニケーションの実際には、必ず対象者がいる。受講生は、その相手とのコミュニケーションがうまくいかないから、研修に参加する。
カリキュラムは、“だれと”、“何を”、“いつ”、“どのように”コミュニケーションするのか、という順番になる。
つまり、「上司と部下は、何を共有すべきか?」を考えさせてから、それを「いつ、どのように共有するのか?」と考えさせる。その後、スキル習得を進めた方が納得感がある。
≪続く≫
『コミュニケーション研修』標準プログラムの構成
ここしばらくコミュニケーションについて書いていますが、アクセス数が増大しています。テーマに関する関心が高いようです。質問がありましたら、メールにて承ります。
これまでカスタマイズ・プログラムを推奨してきたが、研修プログラムには基本的な構成がある。
1)コミュニケーション講義:基礎知識
「定義」「コミュニケーションの種類」「コミュニケーションのスタイル」「コミュニケーション学習 のポイント」「人間関係」「コミュニケーションに必要なスキル」
2)コミュニケーション討議:課題討議
「現状点検と課題の明確化」
3)コミュニケーション実習①:準備
「共有項目の洗い出し」
4)コミュニケーション実習②:スキル
「質問項目の作成」「積極的傾聴」「説明のアウトライン作成」など
以上をプログラムの基本構成として、研修の目的、成果、研修時間によって知識を増やしたり、討議項目を増やしたり、ケース討議、ロールプレイングを入れて教育効果を高めていく。
討議テーマ、ケース内容、ロールプレイング状況は、クライアントと打ち合わせをして、作成、実施する。(カスタマイズ)
ちなみに、一般的に研修は、講義、討議、発表、実習などで構成されている。
≪続く≫