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講師と受講生の関係

2016年05月28日

 オリエンテーションは、研修の方向づけが目的であり、講師と受講生との関係をつくる場だ。第一印象の重要性は言うまでもない。新入社員研修では、講師は受講生が初めて接する職場における先輩であり、指示命令者であり、目上の立場だ。

 受講生との良好な関係づくりは、研修目標を達成するためにも円滑な研修進行のためにも重要な作業だ。(若手講師の課題になることも多い)

 企業人研修の講師を学校教師や予備校の講師と比較したり、同じ接し方をしようとする新入者員もいる。同じ教育でも目的が違うので立場や関係も違う。(新入社員には、わからない)

 研修講師は、職場配属後に役立つ準備としての教育を行うので、時に上司・先輩・顧客の立場で接して、模擬体験させる役割がある。

 重要な役割は、上司・先輩との良好な人間関係づくりを模擬体験させることだ。オリエンテーションでは、“講師は上司・先輩の目線や感覚で受講生に接する”ことを伝える。

 具体的に言えば、どんな時に“不愉快になり”、“怒り”、“笑い”、“ほめるか”研修中に講師自ら示す。研修で起きる全てにおいて、上司・先輩の自然な感情を表情や態度で表し、受講生に理解させることだ。≪続く≫


新入社員研修における講師の役割

2016年05月27日

 企業人教育(企業人として働く上での考え方や態度・行動を身につける)プログラムにおける講師の役割は、重要かつ多岐にわたる。

 結論から言えば、講師には管理者までのキャリア経験が必要だ。プログラムの部分を担当するサブ講師なら別だがメイン講師(最も受講生の目に触れ、注目される講師)の場合には、上司の立場で受講生を指導する場面があるので、上司として働いた経験がある方がよい。

 新入社員研修の場合は、講師自身が見本になることで、受講生の理解は進む。講師自身が、企業人(管理者経験者)であり、ビジネスマナーが身についており、仕事ができなければ、その研修の効果は半減する。

 企業人教育は、知識教育や業務習得とは違い、わかりづらく(経験がない受講生にはイメージしずらく)、身につきにくい。(状況に応じた態度、行動なので)

 だから、配属後に実践されず研修そのものに懸念(疑念)を抱かれる。知識の有無は日常の職場生活で活用する機会が少なく、業務習得の披露は限定的だ。しかし、企業人らしい言動や職場のエチケットは目につきやすい。(周囲が判断しやすい)

 個人差はあるものの、多くの受講生の研修効果を高めるためには、さまざまな工夫の余地がある。その一つは、講師の選任だ。≪続く≫


疑似体験

2016年05月26日

 疑似体験:現実に似せた状況に身をおき、現実に起こるであろう感覚を体験すること。

 新入社員研修は、疑似体験の場だ。職場で働き始める新入社員に必要な教育は、職場生活を円滑に進める知恵を身につけることだ。

 会社で働いた経験がないので不安も大きい。(何が起こるか、想像できないからだ。)怒られることを嫌がるので失敗を恐れる。そのため消極的なったり、正解が分からなければ行動しないということになる。

 学生として優秀でも会社員としてうまくやれない人は多い。職場配属前に疑似体験を通して学ぶ意義は大きい。

 「職場では、こんなことをしてはダメなんだなぁ」「上司は、こんな時に怒るんだ」「何だか機嫌が良さそうだ」「ほめられた!」と研修の中で感じさせることが重要だ。

 大事なことは、体験させるだけでなく、その理由を理解させ、納得させることだ。基本がわかれば応用することで学習が進む。

 研修は、会議室で行われるのであくまで疑似体験だ。いかに職場に近い状況を研修で設定できるか、がプログラムの勝負だ。≪続く≫

 


格差と教育

2016年05月25日

 格差社会と言われて久しい。重要な格差が所得差であるなら、働き方の違いが格差の要因だ。正規社員と非正規社員の違いは大きい。働き方の多様化で非正規社員を自ら選択することもできる。

 しかし、非正規社員に不満をもち正規社員を望む人も多い。正規社員で働くためには採用基準を満たすこととと、正規社員として雇用され続ける能力が必要だ。

 そもそも正規社員として採用されるにも面接者を納得させるだけの能力が必要だ。つまり、格差の根本には、個人がもつ能力の有無がある。

 能力は、本人が置かれた環境や教育が影響している。よい教育を受けることによって能力が開発され、その結果、選択枝が増え自己実現の可能性を高める。それは、家庭教育にも学校教育にも企業人教育にも言える。

 非正規社員の研修は、期間限定の担当業務の習得が目的で、企業人教育とは根本的に違う。企業人教育は長く会社に貢献し、幹部候補生(事業責任者)の育成を前提にしている。

 新卒で企業人教育の基礎を学ぶ経験は、本人のキャリア形成においてとても重要だ。また会社側にとっても大きな利点がある。円滑で健全な組織運営によって事業を継続させるには、企業人の集団をつくらなければならない。

 企業人教育の効果が最も見込め、歩留まりがよい人材は、新入社員だ。

 企業人教育をコストと考え、業務教育を優先するか、人材投資と考えるかは、経営者の価値観と人事部門の方針で決まっている。

 新入社員研修では、「今、企業人教育を受けることができること」がどれだけ恵まれているか、伝えている。教育格差はますます拡がる。≪続く≫

 

 


平成28年度 新入社員研修 総括

2016年05月24日

 今年度も多くの新入社員研修を実施した。弊社では、公開講座を開催していないので講師出張型の研修である。関東を中心に研修施設や会議室で行う。2日間のプログラムを標準として“通い”や1泊2日で行う。

 今年は、500名弱の新入社員を指導した。

 従来は、入社式後の4月開催が多かったが今日では3月から実施する企業も多い。講師からすると3月開催の方が効果的のように感じる。

 想像の域を出ない、“働くこと”、“職場生活”の学びは、(正に白紙の状態なため)企業人としての基本を身に着ける絶好のタイミングである。≪続く≫

 

 

 

 


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