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新しい時代のマネジャー像(6)キャリア開発
選択をしても能力がなければ成果を上げられない。会社は、キャリア開発の仕組みつくる。
キャリア選択をした時点で動機づけできているので、モチベーションが高く学習効果は高まる。育成方法は、SD(自己啓発)、OJT(職場内訓練)、Off・JT(集合研修)の3種を組み合わせる。
特にこれからは、SDの割合を増やしていく。これまで、SDが進まなかった理由は、キャリア選択をさせず、目標をもたせなかったためだ。(何のために、時間と金を掛けて自己啓発するのか?)
自分のキャリア開発は、自己責任で進める。会社はSDに対してキャリア開発制度で支援する。これまで多くの予算を掛けてきた平等なOff・JTの教育体系を見直し、SD支援に予算を割り振る。
特に知識教育は、全てSDにするか、ローコストのEラーニングにシフトする。Off・JTはマネジャー育成に特化させ、階層別研修を柱として設計する。
スペシャリストの育成は、OJTを中心に経験者の技術伝承によって実務能力を成熟させる。資格取得を奨励し、費用、学習環境をキャリア開発制度で支援する。
キャリア開発制度とマイスター制度を組み合わせることで、再雇用者にインストラクターの役割を与え“活躍”の場を与えることができる。多忙なマネジャーのOJTを支援すると共に再雇用者の活性化を同時に実現することができる。
新しい時代のマネジャー像(5)キャリア選択
キャリア選択は、早い方がよい。早くスタートした方が早くゴールできる。会社や組織には、計画を立てる人と実行する人、決める人と従う人、マネジャーとメンバーがいる。
組織は目標を効率的に達成するために役割を分担している。自分はどの役割を選ぶのか、選択は早い方がよい。成熟に時間が掛かるからだ。昨日今日の選択で、十分な役割を果たすことは難しい。選択が遅いと準備不足のため求められる成果を出せない。
マネジャーにしろ、スペシャリストにしろ一定のレベルに到達するには、時間が掛かる。一定以上のレベルなら、どこでも、長く働ける可能性が高い。そのためには、目標をもってキャリアを重ねる必要がある。
どちらもメンバーからキャリアをスタートさせ、組織で働く基本を学び、機会を得てキャリアを実現させる。(日本の新卒採用は、キャリアをスタートさせるに当たり、とてもありがたい仕組みだ。)
自分がマネジャー志向かスペシャリスト志向かは、学生時代に考えることだ。それまでの人生で“何となく”でも自分の志向性が分かるだろう。意識して、自分を見つめていれば、よりはっきりする。
早期キャリア選択は珍しいことではない。職人のキャリアは、スタートが早い。国内でも国外では、先祖代々職業を世襲する仕組みはある。早く始めれば、成熟も早い。
サラリーマンのキャリアは、大卒なら22歳からの“何となく”のスタートだ。“人に従いながら、迷いながら”の毎日でモチベーションが上がるだろうか。
学生時代にすることは、自分を理解し、自分のキャリアを自分で意思決定することだ。(単位取得より優先順位は高い。)社会に出る前の準備だ。意思決定していない学生が、内定を取れないのだ。
“自分探しの旅”は、学生の特権だ。
マネジャーになる選択をして、メンバーとしての経験を積めば学習効果は高い。マネジャーに登用されるころには、十分準備ができている。“自分を試そう”と思うから、モチベーションも高い。
マネジャーのキャリア選択は、就職前から始まっている。
新しい時代のマネジャー像(4)動機づけ
プロ・マネジャーの最低条件は、本人のやる気だ。「働く人の基本的な欲求」は以前に書いた。マネジャーの立場は、誰かが動機づけする必要はない。
本人のキャリア選択の問題だからだ。その責任と立場から当然、一般社員より高報酬で相当な権限を与える。成果によるインセンティブも必要だ。(一般社員とあまり変わらないなら、最低限の動機づけもできない。)
多くの日本企業では、最低限の条件である「やる気」のないマネジャー候補が多い。一般社員はマネジャーになりたくないと言う。マネジャーになりたくない社員が、マネジャーになったら成果は上がらない。
「研修で、何とか・・・」無理な話だ。ほとんどの社員は、本音を言っている。「なりたくない」のだ。本人にとっては、「苦痛」なのだ。実際に、マネジャーになって「心の病」にかかる人が多いという。
最も確実な動機づけは、自分自身による「意思決定」だ。自分の生き方を自分で決めた時、自分によって「動機づけ」される。多くのマネジャー候補は、この経験がない。受験勉強して大学に入り、内定をいくつももらい、就職して昇進する。
環境が整っている分、(余裕ある)選択はするが、ゼロから創る経験は少ないだろう。キャリアは、本来自分で創るものだ。
マネジャーにならなくても、プライドをもって働き続ける仕組みが「複線型人事」だ。スペシャリストへの道がある。(ただし、自己実現には相当の専門性が求められる。)
全ての社員を幸せにする人事制度は難しいが、マネジャー、スペシャリスト、メンバーとして働き続ける環境はつくれる。役割によって人員を配置し、処遇する。
マネジャーが足りないなら、社外調達だ。そこが、プロ・マネジャーの主戦場だ。
制度☓教育が必要な理由。日経新聞一面から。
6月29日(月)の日経新聞の一面。『働き方 NEXT女性が創る』
「女性に優しい会社」の資生堂。20年以上前から「育児休業」や「短時間勤務制度」を導入している。ここにきて、厳しい態度に転じた。とある。
「忙しい夕方、同僚に感謝の言葉もなく・・・育児中の優遇が既得権益化し・・・」
制度や仕組みが悪いわけではない。よい制度も「運用教育」をしないから成果が出ない。「女性に優しい制度」を使いこなす人材の成熟に原因がある。なぜ、「優しい会社」が「厳しい態度」を取らざるを得ないのか。
「優しい制度」に社員が甘えると逆効果が生まれる。「優しい制度」を「厳しい意識」で運用すると相乗効果が生まれる。
一般論だが、制度設計と社員教育の部署が別だと、このようなことが起きる。制度と教育は常に一体化させて考え、運用することが成果を上げるポイントだ。
次回「マーケティング研修」追加情報。
研修が終わるたびに、毎回「振り返り」をして改善を検討する。だから、数年前の研修が全く違うプログラムになっている。講義、討議、実習、演習は増やしては削り、必要な内容だけを残す。
次回のマーケティング研修では、「AIDMAの法則」を追加する。
「AIDMAの法則」は、一般的によく知られている。1920年にサミュエル・ローランド・ポールが著作で紹介した広告宣伝における消費者心理のプロセスだ。古典的だが、今でも使える。
消費者は、Attention(注意)Interest(興味)Desire(欲求)Memory(記憶)Action(行動)の順で購買に至る。
使いどころは、TVCM作成実習の提示の場面だ。TVCMの視聴分析とシナリオと絵コンテを創る際のモデルとして紹介する。15秒でターゲットを思うように行動させるには、どのようなCMを作成したらよいか?「0」から創造する作業は、大変で時間も掛かる。モデルを提示すれば、作業効率も学習効果も上がる。
自ら考えることが、本当の学習だ。その学習を支援するのが研修プログラムだ。


