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バランスの良い管理者を育てる。
新任管理者は、これまでの担当者から大きく役割が変わる。主任や係長を経て課長に昇進する場合、小規模の職場の責任者を経験することで訓練を積むことができる。
『資格等級制度』は、組織人の段階的成長において大きな貢献をする仕組みである。
担当者と管理者の大きな違いは、職務内容(役割)にある。要は、管理者は担当する業務を持たず、管理を職務とする点だ。今日では、職場の人材不足が解消されず管理者が業務を担当している場合が多い。プレイングマネジャーが定着しているようだが、これは正常ではない。
時間がなくて部下の指導もできない、というが本末転倒である。職場の業務設計、業務の効率化、業務の割り当て、部下指導ができないので、管理者自身が業務を担当することになる。
要はマネジメントをしないから業務を担当することになり、業務を担当するからマネジメントができなくなる。それなら、管理者ではないということになる。
『管理者は組織の要である』と言うのは、組織は管理者が管理をしなければ成り立たないからである。管理者不在の組織はいずれ破たんすることになる。様々な問題があちこちの職場で起き、問題が解決できないからだ。
マネジメントの守備範囲は広い。新任管理者は実務担当者として優秀であったが、管理者としては経験不足なためバランスが悪い。つまり、これまでの経験から見たいところを見て、苦手なところを見逃す傾向がある。
管理者は“仕事の管理”と“人の管理”をバランスよく見れなければならない。これは新任管理者研修で学ぶことだ。
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管理者研修プログラムの構成。
研修プログラムは、多々あるがどのような内容を実施すべきか。基本的にはクライアントの意向に従って、教育会社や講師がカスタマイズすることは当然だが、選択に迷う研修担当者もいるだろう。
経営者の方針や時事的な問題意識で実施する場合はテーマ選択の余地はない。
『新任管理者研修』のプログラムは、役割理解を前提に①仕事の管理②問題解決③人間関係④部下指導で構成する。短時間であれば講義中心の知的理解を目標にする。2日~3日の時間が取れれば、討議、実習を行い体験理解を目標にスキルアッププログラムを組むことができる。
研修時間が長いほうが、効果が見込めるが、“これだけ時間を掛けなければダメだ!”ということはない。研修プログラムはもっと柔軟なものだ。
パッケージ・プログラムは、商品が決まっているので“買う、買わない”の判断になるが、研修担当者と講師が話し合いながら“プログラムを創る”作業が重要だ。
研修担当者は、当然だが業務知識として研修の知識が必要だ。また、受講生の研修ニーズを把握しておかなければよい判断ができない。そして講師は、研修のプロとして経験に基づいた知識、技術、柔軟な発想でプログラムを作成し、クライアントの期待に応える。
双方の対等な努力がよい研修をつくるのだ。
部下の欲求をコントロールするマネジメント。
人の欲求を知ることで、相手の心理をコントロールすることができる。人は欲求が満たされると満足し意欲的に行動する。満たされないと不満を感じ、非効果的な行動をする。
適度に欲求を刺激することにより、「やる気」を高め、目標達成への方向づけをすることができる。
①承認欲求・・・目標達成に貢献した場合、具体的に評価する。(次の目標設定をする)
②達成欲求・・・適切な目標や課題を設定し、達成させる。(目標や課題を上げていく)
③成長欲求・・・知らないことやできないことを教える。(次の成長の機会を与える)
④責任欲求・・・仕事を任せ、責任をもたせる。(権限を委譲し、次の仕事を与える)
⑤理解欲求・・・情報を提供する。(本人の知らないことを教える)
⑥競争欲求・・・競争相手と比較し優劣を意識させる。(競わせながら実績を上げさせる)
欲求は、部下それぞれなので個人対応する。管理者の立場や権限を使ってできることばかりなので、上司はマネジメントで部下の「動機づけ」を行い、職場の目標達成を目指す。
上司と部下の相性。
上司と部下には相性がある、と言われる。気が合うとか、性格が合うとか。基本的な欲求の考え方からすれば、同じ欲求を持つ者同士は、相性がよい。
互いに「承認欲求」が強い場合は、会社や顧客などから認めらたいという欲求で一致する。「成長欲求」が強い場合は、学ぶ努力を互いを認め合う。
「俺たち、気が合うなぁ」「上司の考え方をよく理解する、優秀な部下だ」と評価する。
一方、「達成欲求」の不一致の場合は、欲求が低い部下を、上司は「全くやる気がない!」と言う。「競争欲求」の不一致の場合は、競争を避ける部下を、上司は「ダメな奴だ!」と決めつける。
人は欲求の相性で「合う」「合わない」、「好き」「嫌い」と判断する。お互いの欲求が違うだけで、人間関係が変わる。
大事なことは、お互いの欲求の違いを認め合い、お互いの立場で何をすべきか「行動」を話し合うことだ。仕事は欲求で成立するのではなく、言動で成立する。状況にふさわしい言動が成果を生む。むしろ、実際には欲求を抑えたり自分の欲求に反する言動を求められることが多い。
上司と部下のお互いを尊重した快適な人間関係をつくるためには、“仕事の成果を上げる行動”に注目すべきだ。
≪続く≫
管理者に望ましい欲求。
管理者も「働く人」なので当然、基本的な欲求がある。欲求は、人それぞれのもので良い悪いはない。しかし、職場の責任者の立場であれば、次の欲求をもつことが望ましい。
「達成の欲求」・・・目標達成に充実感を感じる欲求である。
「責任の欲求」・・・責任を全うしたいと思う欲求である。
「競争の欲求」・・・他者より優位に立ちたいと思う欲求である。
どれも競争市場で責任を全うし、目標達成を目指す管理者の役割に必要な欲求である。また、これらの欲求が低い管理者は自分と役割の差異に悩むこととなる。
欲求は意識と努力によってコントロールすることができる。「管理者になって、あの人は変わった」ということはある。「地位が人を育てる」ということもある。本人の学習と努力の成果と言える。
≪続く≫