「誤診」の話

 「誤診」とは、医師が診断を誤ること。また、その診断内容。と辞書に書いてあります。

 経営コンサルタントや研修講師は、医師ではありませんので、「誤診」に該当する行為はありません。

 ただ、仕事上「顧客のニーズ把握」や「調査による問題の把握」で誤った判断をした場合、内々で「誤診」という言葉を使う時があります。

 今日のビジネスでは、さまざまな業務で「調査・診断」が行われています。マーケティングは、正にそうですね。新規事業、商品開発、販路開拓、販売促進など調査データなしに判断はできません。

 診断によって状況を理解し、判断する仕事もたくさんあります。例えば、検査した数値を診断し部品の交換を判断する、など。

 「誤診」による対処は、当然よい結果にはなりません。医療の世界では、人の生命に関わる大問題となりますね。

 組織開発の分野では、「組織診断」や「健康な組織づくり」といった言葉を使いますし、人の行動や性格を把握するツールもたくさんあります。

 会社や職場、人をもっとよい状態にして、喜ばれたいという気持ちは、医師の皆さんに近い感覚があるかも知れません。

 さて、「身近な誤診」ですが、提案営業で大事なことは、的確に相手の「ニーズ」を把握し、「解決策」を提案することです。

 研修提案を例にとれば、主に面談時の「ヒアリング」によって「ニーズ」を把握します。医療であれば、「問診」でしょうか。

 さまざまな質問をしながら、研修のニーズを把握していき研修の仕様がはっきりすれば企画提案に進みます。「ヒアリング」と「問診」は、似ている点もあれば、全く異なる点もあります。

 似ている点は、質問をして状況を把握しようとする点。全く異なる点は、営業と医師がおこなう点。営業のヒアリングは、「営業行為」。医師の問診は、「医療(診察)行為」です。

 更に違う点は、信頼の度合いです。営業と講師であれば、講師の方が信頼が高いと言えますが(人物としてではなく、講師の方が研修の知識や技術、経験が豊富という意味です)、医師への信頼とは全く別ものでしょう。

 「研修ニーズのヒアリング」は、担当者に質問して答えていただきますが、「営業行為」と認識されている場合は、「本当のことを話さない」ということもありますし、「現場や対象者をよく知らない」といった理由で、有効な情報が収集できない場合があります。

 こういった場合は、「誤診」になりやすいと考えられます。「誤診」に基づいた研修企画は、採用されなかったり研修を実施した後でクレームになったりします。

 私の場合は、営業からの案件は、何度もニーズを確認します。自らヒアリングする時は、質問項目を用意してあらゆる方面からニーズを探り、担当者の表情を確認しながら、最後に必ず同意を得るようにします。 

 それでも「誤診」がこわいので、受講生に事前アンケートを取り、本人のニーズを顕在化させて研修で満足してもらえるように備えます。

 結論として、「誤診」を防ぐためには、事前に調査をするか、相手との「信頼関係」をつくるしかありません。結局、こちらを信頼して本当のことを言ってもらわなければ、よい判断はできないのです。

 ただし、相手自身もよくわからないために、言っていることが本当とも限らない場合、「仮説」を立てて状況を判断し、「一緒に考えて結論を出す」か、「専門家として最善の対処をする」ことが必要です。

《以上》 

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