大企業は、どんな人材をつくってきたのか。

 今となっては、大企業に入社したことはよかったのだろうか。

 これまでの常識では、議論の余地はないでしょう。大企業で働くメリットはたくさんあります。今だって学生は大企業志向の就活をしていますし、今も大企業でバリバリ働いて高収入を得ている人がいます。

 しかし、大企業で長く働いたことが、今デメリットになっている人もいます。

 大企業出身者が困っていることは、会社を辞めざるをえなくなった後の対処です。

 これまでの大企業の人事施策は、余剰人員を社内のどこかの職場に異動させたり、関連会社に出向させたり、子会社に転籍させたり、取引先を紹介したりして何とか失業させないように配慮してきました。

 これは大企業の大きなメリットです。あまり気分はよくありませんが、失業するわけではありません。

 しかし、退職となると事情は一気に変わってきます。(よくある話で、みなさんわかっていると思いますので、再就職の厳しさは書きません。)

 大企業の総合職のキャリアは、ゼネラリストを目指します。上司から仕事を与えられ、指導を受け、ジョブ・ローテーションで経験を積み、昇進していきます。

 同期入社が多いので、管理者に昇進する人は限られます。以前は組織が大きかったので管理者のポストも多くありました。

 部長や事業部長などの上級管理者は、同期入社のうち一人だけという暗黙のルールもある、厳しさです。

 同期の出世競争に敗れた者は、社内に適当な居場所がありません。役職制限年令もあります。そんな時に、ふと考えるのではないでしょうか。

 「自分に何ができるのだろうか。」「自分は、他の会社に必要とされるだろうか。」

 大企業は、自社で必要な社員を育てているのであって、他の会社で活躍できる社員を想定しているわけではありません。

 いずれ管理者になるゼネラリストに専門知識やスキルは必要ありません。広く浅く知識と経験を積み、上司の評価を高めることを学んできました。

 (具体的な業務は、指示をすれば優秀な部下や後輩社員がやりますし、社内に専門家がいなければ外注すればいいのです。委託もできます。アイデアは、外部に企画を出させて選べばよいのです。子会社も使います。大企業の社員は評価して選ぶ立場です。予算は十分にあります。)

 専門性は、専門職に必要なものであって、ゼネラリストは専門職を使って成果を上げます。

 キャリア研修では、「自社で評価される人材が、労働市場で評価されるとは限らない。労働市場で評価される人材は、自社でも評価される。」といいます。

 つまり、「自分の市場価値を高めないと会社を離れた時に困ります。」という話です。

 大企業では、稟議書の通し方、人の使い方、リスクのない判断を学びます。さて、これから何をしましょうか。  

≪続く≫ 

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