(4)なぜ、投資信託販売業務における虚偽報告等がおこなわれるのか?

(4)投資信託販売業務における虚偽報告等
①投資信託販売や投資信託購入者に対する事後対応について数多くの支店において多数の職員が実態と異なる虚偽報告等をおこなっている。
②本件について、前回の当局検査において同様の指摘がなされているが当時の再発防止策は抜本的な改善策とはなっておらず再発している。

≪Point≫
・以上の要約から、本件のポイントは3点ある。虚偽報告等をおこなっていること。数多くの支店で多数の職員が等をおこなっていること。再発していること。

・健全な組織運営は、計画-実行-評価―改善の順序で進める。

・業務は、業務計画に基づき上司の指示で部下が実行し、部下は事実を報告する。部下は評価を得て改善を検討する。改善を次の業務に活かせばもっとよい業務遂行になる。

・報告は、上司の指示に対して部下が途中経過、結果の事実を伝える。部下の報告内容が虚偽ならば不正である。

・上司が虚偽報告と知っていて、修正を求めなければ不正である。虚偽報告を見抜けなければ管理能力不足である。

・虚偽報告が再発しているということは、職員は正しい「報告」ができないのではないか。上司は、正しい「報告」を指導できないのではないか。

・数多くの支店において多数の職員がおこなっていたということは、上司も部下も虚偽という認識がなかったのではないか。または、虚偽と認識して業務を継続していたのではないか。

・再発防止策の作成は、健全化の不可欠な手続きである。しかし、具体性に乏しい内容や形式は整っているが現実的でない計画もある。

・監督する側も主体性を重んじるばかり、“自分たちで考え、つくったのだから”と受け止め、作成した側も“何も指摘されなかったのだから”と安心してしまったら、内容は精査されないこととなる。

・効果的な再発防止策であれば、再発の原因は実行する側の意識と能力にある。実行する側の健全化の意識や管理能力、実行力が不十分なら改善策は進まない。

・本件の原因は、組織文化【内部統制】【意思決定】【改革性】、経営管理【計画立案】【役割分担】【目標設定】【コミュニケーション】【チームワーク】【支援・協力】【部下指導】【コンプライアンス】【評価】【改善】、人事施策【目標管理制度】【人事評価制度】の健全性要素に関係している。

 本件は、数多くの支店での多数の職員による不正かつ再発なので組織運営に原因があると考え、健全化のテーマとして改善に取り組む必要がある。

 健全度調査後に、関連原因を分析し、再発防止策、制度、教育の組み合わせで健全化を進める。

≪続く≫

 

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