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外部講師の使いどころとは・・・。
何でも、外部講師を使えばよいというものではない。また、何でも社内講師を使えばよいというものではない。
最近は、コスト削減のために研修の内省化が進み、社内講師を活用する研修も多い。一方、そんなことを外部講師に期待するのか?という研修も多い。
先日、あるクライアントを訪ねたら、会議室に『預金実務研修』と張り出されていた。担当者は、恐縮しながら、社内講師でやっています、と言った。気を使っていただいたに違いないが、実務研修は社内講師が正解である。
実務は、会社固有のノウハウであり、年数を掛けて社内で作り上げたものなので外部講師が教えるものではない。もっと言えばOJTで教えるものである。(METS-cの場合は、業務マニュアルを作ってから、教育をするので答えを教えられる。)
外部講師への要望で“もっと、具体的に”、“実績を上げる答えを教えてくれ”という担当者がいる。おそらく、受講生の要望をそのまま伝えているのだろうが、それは外部講師の役割ではない。
外部講師の考える“正解”を指導したとしても上司の指示・命令との整合性を確認する必要がある。職場と研修が別々になってはいけない。
実務経験はあっても、うまく教えられないという課題がある。自分で実務ができる能力とわかりやすく人に教える能力は別なのだ。だから、実務を未経験者に早く確実に教えるためには、外部講師から“わかりやすい教え方”を学ぶ必要がある。
“教え方”は、実務経験では身につかない能力だ。そこは、外部講師でしょ。
横断的な報・連・相の勧め。
報告・連絡・相談は、“部下から上司へ”を、前提とすることが多いです。しかし、実務では部門間の報・連・相が重要です。営業-融資、営業-預金、融資-預金など一人のお客さまに対して、全部門が情報を共有しておき、満足を提供する組織が望ましいです。
階層別研修では、全部門から受講生が集まりますので、「横断的な報・連・相」の実習が可能です。各部門の担当者でグループをつくり、報・連・相してもらいたい内容を次々と発表してもらいます。日頃、不満を感じているテーマなので、活発な話し合いになります。
「窓口に、来られるなら一言連絡してほしい」、「融資案件は、もっと詳しい情報を提供してほしい」などなど、担当者レベルで解決できることも多いです。
しかし、自部門中心の縦割り組織では、意外と「横断的な報・連・相」がうまくいっていません。上司もあまり指導していないようです。
オフィシャルな規定を作ればより確実です。担当者同士の期待役割の教育で実現することも可能です。METS modelでいえば、SystemとEducationのシナジー効果でCS向上ということです。
METS-cは、規定もつくりますし、教育もする会社です。エラーのない組織をつくりましょう。
研修所感②
報告・連絡・相談は、定義を説明し、具体的に“何を”報・連・相すべきかと、ワークシートに書き出す実習をしました。中堅職員研修でも同様の実習をしていますが、“書けない”受講生が多いです。意味が理解できていても、内容がわかっていなければ意味がありません。
上司は、“報・連・相しろ”と言いますが、具体的な指示をしていないのでしょう。今日の部下は、言われたことはきっちりする傾向があります。(逆に、指示されていないことは、考えない、しないと言われています。)
しかし、上司の立場に立てば、全てを指示することは現実的ではありません。部下は報・連・相の定義を学び、何を報・連・相すべきか、自分で判断する能力が必要です。
報・連・相を続けるうちに、上司とのコミュニケーションで必要、不必要の判断ができるようになります。また、“何を”報・連・相すべきかは、上司によって相当違いがあると思います。細かい上司、おおざっぱな上司といるでしょう。
今後、若手研修では、具体的な例(一般論ですが)を提示してから、充分考える時間をとります。管理者研修では、報・連・相させる項目をワークシートに書き出し、具体的に指示をするようにします。
研修所感①
先週の「新入職員フォローアップ研修」は、72名が参加されました。群馬県の信用金庫協会が主催した研修で、今年度で2回目になります。男性と女性が半々で、皆さん積極的に取り組みました。
①6ヶ月間の振り返り②コミュニケーション③報告・連絡・相談④職場の人間関係を学びます。最近は、新入社員にもマネジメントについて講義します。上司とのコミュニケーション、良好な人間関係づくりには、上司の仕事(役割)を知る必要があります。
上司の役割であるマネジメントを知れば、自分とどのように関わろうとしているのか、わかります。上司の役割を理解していなければ、勘違いも起こります。好き嫌いで上司を決めつけてしまうこともあるでしょう。上司は、自分に与えられた役割を果たすために、部下と接しているのです。
入庫6ヶ月で関係が悪化しているケースもあります。講師が上司の代わりに、上司の役割や新人に対する期待を伝えることが重要です。どのような時に機嫌が良くなるか、悪くなるか、何を心配しているか、具体的に話します。
研修後には、改めて企業人の基本行動を実践して、評価され、元気に働いて頂きたいと思います。
プレゼンテーション・トレーニングは、“朗読”から。
プレゼンテーション実習を一つ、紹介します。皆さんは、音楽の強弱記号とその意味をどれぐらいご存じですか。
f、mf、f f、P、mp、PP、sotto voce、mezza voceなど、色々あります。メロディに強弱をつける記号です。
成功するプレゼンテーションの要素の一つに、聞き手の興味を引きインパクトを与えるためにリズムをコントロールする技術があります。ニュースの原稿読みのようでは、インパクトがありません。また常時声を張り上げていても、印象に残りません。
内容によって、強弱やスピードを調整して、聞き手を飽きさせず、プレゼンテーションの目的を達成します。そのトレーニングとして、音楽記号を使った朗読を行います。
用意した原稿に強弱記号を振り、“ここは、強く”、“ここは、ゆっくり”、“ここは、息をひそめて”とメロディをつくります。何度も朗読訓練をすれば格段によいプレゼンテーションになります。
更に、ボディランゲージを加えれば、プロ並みのプレゼンターです。
ちなみに、強弱記号の読み方と意味は、次の通りです。研修で活用しています。
f(フォルテ) 強く、mf(メゾフォルテ)やや強く、 f f(フォルテシモ) とても強く、mp(ピアノ) 弱く、mp(メゾピアノ)やや弱く、PP(ピアニッシモ)とても弱く、sotto voce(ソットボーチェ)声をひそめて、mezza voce(メッツァボーチェ)中くらいの声で、<(クレッシエンド) だんだん強く、>(デクレッシエンド) だんだん弱く
学校教育で、声を出して文章を読む朗読の機会が減っているように感じます。大人になって人前で話す訓練に朗読は有効だとは、いろいろ考えさせられます。