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最もシンプルで実践的な研修効果測定の方法≪最終回≫
研修後に実績が上がっているか、能力が向上しているか、態度が変容しているかは、受講生の上司が知っている。研修効果は、人事評価で確認することができる。
多面観察では、上司も含めて受講生の周囲の人物を対象に、調査を依頼する。しかし、周囲の人たちに負担を強いる上、十分なデータを得られないケースも多い。評価訓練を受けているとも限らないし、的を射たアンケート項目の作成も労力が掛かる。
上司の人事評価に不安を感じるなら、評価者研修を優先すべきだ。上司が部下の研修効果を測定できないということは、人事評価ができないということなので、訓練が必要だ。
目標設定シート、評価要素、評価の着眼点などのツールが不十分なら、新たに作成するか改定する必要がある。効率のよい実績向上や人材育成のためには、目標管理制度、社員教育、人事評価制度を連動させることが重要だ。
人事制度の担当者と研修担当者が話し合って(Meeting)、研修の目的、成果と研修効果を確認する。研修(Education)を行い、人事評価ツール(Tool)を活用して、人事評価制度(System)を運用する中で、その研修効果を測定する。≪以上≫
昨日の『新入職員フォローアップ研修』から想うこと。
昨日、群馬県で『新入職員フォローアップ研修』を行った。県協会の主催で信用金庫の新入職員82名が集まった。
厳しい就職活動を経て入庫してくる職員は、優秀な人材が多い。資質が高いという意味で、仕事ができるという意味ではない。就労経験がないので、先輩職員と同じように仕事ができるわけではない。しかし、学習意欲が高く、何事にも真面目に取り組むので、成長の可能性を強く感じた。
新卒の入庫段階では、これで100点満点だ。この人材を活かす責任は採用した側、指導する側にある。研修講師もその責任の一端を担っているが、私は研修冒頭に『長く安定して働き続ける力を身につけてほしい。』と言った。
職場配属後に先輩が教えることは、“業務”中心であることが多い。しかし、これから長く続く職業人生を安定させるのは、“働く者としての基本行動”だ。どんな職場に配属されようが、どんな上司の下で働こうが、基本行動が身についていれば、概ね対応できる。適度な人間関係を保ち、業務を進めることができる。
大きな成果を期待されない1年目だからこそ、徹底的に基本を学ぶ時間がある。“学ぶべきことを、学ぶべき時に、学ぶこと”が、段階的な成長を促すのだ。新卒正職員で採用される者には、大きなアドバンテージである。キャリア採用や契約職員にはない、着実な職業人生を歩むキャリアのスタートだ。
フォローアップは、やはり必要だ。8か月の経験であっても、個人の成長差は大きい。一例であるが、“正しい名刺交換”が、できる者とできない者がいる。業務ばかりを教えていると、業務以外の“働く者の常識”がもれることがある。自分の業務に“名刺交換”の機会がない者もいるのだ。
これでは、人材の質がバラつき、いずれ業務に支障が生じる。“そんな基本的なこともできないのか?何年目だ?”と、言わなくてすむように入庫1年目には、全員に同じように基本を徹底させる機会が必要だ。
昨日の研修は、受講生の真剣な取り組みと事務局の万全の準備によって、滞りなく進めることができた。帰りの電車の中で連絡をいただいた。来年度の研修実施が決定した、と聞いた。
最もシンプルで実践的な研修効果測定の方法④
実績は、外部環境の影響を直接受けるライン部門だけでなくスタッフ部門にも求められる。全ての部門、個人が実績目標をもち主体的に仕事に取り組むことで全体目標が達成されるようにする。
実績の目標設定は、目標管理制度で運用し、結果は人事評価制度で処遇する。実績の目標達成度合いは、賞与に、能力と勤務態度の査定は、昇給、昇級、昇格に活用する。
スタッフ部門の実績向上のための研修も、目標達成に必要な知識、能力、態度からプログラムを設計する。(スタッフ部門の実績目標は、定量化できなくても、定型業務でも、受け身の業務でも、長期的な業務でも設定できる。)様々な部門から参加者が集まる研修は、最大公約数的な共通の研修目標を設定せざるを得ない。しかし、あくまで実績向上に効果のある目標観と内容にすべきである。≪次回に続く≫
最もシンプルで実践的な研修効果測定の方法③
研修は、能力開発や態度変容の手段として有効であるが、実績向上の手段としての研修は、工夫が必要だ。研修は、実績向上の一つの手段であるが、全てではない。
まず、実績向上の要因を分析し、能力、態度(行動)を特定することが重要だ。マーケティングでは、商品、価格、販路、販促を組み合わせで実績向上を考える。実績に影響を与える景気動向や法規制、競争状況など外部環境の統制、対応が難しい不特定要素も多い。一概に、能力、態度が実績に直結するとも言えない。実績は、企業の総合力の結果なので、本来、“この研修で、実績が上がるのか”と言う議論は、乱暴である。
しかし、能力や態度が実績に影響を与えることも事実なので、研修は有効である。繰り返すが、実績を上げる能力、態度を特定することが重要で、それは一概に現在の評価要素、着眼点にないことも多い。≪次回に続く≫
最もシンプルで実践的な研修効果測定の方法②
研修の目的は、知識習得、能力開発、行動変容にある。研修後に調査を行い、効果を判断する方法はある。しかし、実際には現場の負担が大きい上に、業務に直接関係しない研修も多く、どの程度の期間で、何を効果とすべきか、不明確なことが多い。
一方、人事評価は、年1回から2回は必ず行われる。評価項目は、主に実績、能力、勤務態度と決まっている。尚且つ、人事評価では対象者(資格・等級別・職能別)ごとに、評価要素、着眼点などの基準が明確に示されている。研修の効果は、受講生の評価で測定することができる。一次評価の研修前と研修後の評価を比較して、点数が上がっていれば、その受講生にとって効果があったと言える。平均値を取れば、研修全体の効果測定ができる。
ポイントは、受講生の評価要素から研修を企画する点にある。対象者全体の評価結果を調べてどの評価要素を高める必要があるのか判断し、研修の目標観とする。そして、直属の上司に研修の内容と該当する評価要素を伝えておくことが重要だ。
評価基準は、その対象者に求める実績、能力、勤務態度を示しているので、評価基準を満たさない研修には意味がない。受講生は、評価の対象になっていない研修内容には疑問を感じるし、受講する意味が理解できないので、主体的にはなれない。(受験科目にない授業に集中しない受験生と同様の理由だ。また、研修の学びを実践しても評価の対象外であれば、評価されないのでモチベーションは下がる。≪次回に続く≫


