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専門家がそれぞれの分野を担当するシナジー効果。
2泊3日、年4回の研修が、2期目を迎えました。あるメーカーの営業担当者を対象とした選抜研修です。90分を1講座として1回当たり12講座、全5科目39講座の研修カリキュラムです。
全国の営業担当者からトップ・セールスを養成する研修なので、内容もハイレベルで、多岐にわたっています。従って、とても一人の講師でやり切れる内容と量ではありません。
メーカーが流通に対する営業力を強化し、実績を上げるための研修なので、流通業界に関する専門知識や流通側の戦略を理解する必要があります。そういった内容をカリキュラムに組み込むために流通の専門家を特別講師に迎えました。
特別講師の皆さんは、流通業界で長く経験を積まれ、実績を上げて来られた方々です。大変貴重な情報をわかりやすく提供してくださいました。
業界の専門家にセミナーを依頼されることは、よくあると思います。しかし、より効果を上げるためには、専門家を上手に使う(失礼!)ことが必要です。大きな成果を上げるために、誰に、どこで、どの内容を担当してもらうか、プログラムを設計し、コーディネートする必要があります。専門家も“よい舞台”があってこそ、活きるものです。
プログラム設計とコーディネートは、簡単な作業ではありません。コーディネータ自身に講師の経験があり、幅広い知識と企画力、交渉力などが必要です。教育会社の営業担当者に仕切れるプログラムではないと、思います。(私も教育会社の営業をしていましたが、最近の営業の皆さんは、どう思いますか?)
申し上げたいのは、目的を達成する手段は色々考えられますので、大きな目的を達成するには、プロフェッショナルを上手に活用し、協力体制を作りながら、進めていくことが大事だと言うことです。プロフェッショナルが力を結集することによって、シナジー効果(相乗効果)が発揮されます。
(ご興味ある方は、メールにて気軽に、ご連絡ください。)
研修効果を高める、シナジー効果③
前回は、研修と評価制度のシナジーの話でした。今回は、研修と業務設計のシナジー効果の話です。どのような業務でも、職場の中で独立しているものは、ありません。指示命令者と業務遂行者、前工程と後工程など人と業務が関連しています。多くの関係者が業務係わっていますので、効率的に業務を進めるためには、業務設計が必要です。
研修は、業務遂行能力の向上が目的です。能力開発の前提は、業務設計です。“誰が、何を、いつまでに、どこまで、どのように、何を使って、いくらでやるか”、が、業務設計の要素です。最も効率的で成果が見込める業務設計があり、その業務を遂行する能力が不足しているなら、研修が必要です。つまり、業務設計は、研修が必要であるか否かの基準を示すものです。人事考課に基づく研修も同じ理屈です。しかし、業務設計が仕組みとして存在していない職場も多く、経験者の“個人ノウハウ”に依存しているケースも多く見られます。(組織のノウハウになっていない。)
つまり、目的が不明確な研修も少なくないのです。研修効果を高めるには、業務設計を行ってから、またはどの業務遂行能力を高める必要があるのか、検討してから、実施することを、お勧めします。
これを、METS-cでは、研修と業務設計のシナジー効果と言っています。
女性職員は、どの業務遂行能力を高めることで、より強力な戦力となるのでしょうか。次回は、教育とツールのシナジー効果の話です。
研修効果を高めるシナジー効果②
研修効果を高めるには、まず、よいプログラムを設計し、よい講師が研修を担当することが、大前提です。“行動変容”を目的とするなら、研修とは別に、社員が“働く環境の整備”が必要です。研修は、受講生個人にアプローチする方法です。職場で個人の行動に影響を与える要素は、規範です。
具体的に言えば、組織の評価制度と職場の評価・業務設計です。研修後の行動が評価され、人事考課に反映されなければ、リスクのある新しい行動をあえて行おうとはしないものです。従って、人事考課要素に基づいた研修を行うか、研修で学んだ行動を評価する取り決めを、予め直属の上司と行っておく必要があります。そうすることで、研修と制度がリンクし、受講生が安心して、“行動変容”を受け入れることができます。
これをMETS-cでは、教育と制度のシナジー効果と言っています。当たり前のようですが、人事部門と人材開発部門が連携していない研修が少なくありません。
女性職員に求める行動変容は、どのように評価にされるのでしょうか?
次回は、研修と業務設計のリンクの話です。
研修効果を高めるシナジー効果①
プロの研修講師なら、研修の場で受講生をやる気にさせることは、そう難しいことではありません。受講生の満足度評価でも、5点満点中4点台を出すことができます。研修担当者も満足し、“よい研修だった。”ということになります。
組織開発は、研修の後のことを考えます。職場に戻ったら、研修前と行動が変わり、成果を出すのか、という点が気になります。組織開発では、研修を手段と考えているためです。研修は、行動変容の効果的な手段ですが、歩留まり(受講生が、行動を変える割合)は、決してよくありません。
理由の一つは、本人が新しい行動をしようとしても、上司のマネジメントや職場の規範は変わっていないので、結局、本人も同調行動をとり、研修前の行動に戻るためです。
これでは、研修に効果があった、とは言えません。行動が変わらないのですから。(もちろん、何かを知り、理解するための研修は、それ自体が目的になりますので、理解度テストをすることで、効果測定ができます。)
言いたいことは、やる気になった女性職員の働く環境の整備を、研修と同時に行わなければ、せっかくの“その気になった”研修も十分な成果が出ないということです。
それでは、研修効果を職場で持続させ、行動変容を促すにはどうしたらよいのでしょうか。それは、次回のTopicsで。
まず、女性職員を研修に呼ぶことです。
前回を引き継いで、女性職員の戦力化の話です。保守的な業界には新しいテーマでしょうが、女性が活躍している業界は、珍しくありません。社会の大きな変化からすれば、女性の社会進出、晩婚化、不景気による共働きなど女性が働く条件は、整っています。
しかし、女性が働く職場環境は、整っていません。女性の活用に積極的な業界や企業では、女性の採用、配置、育成、評価、処遇、福利厚生など、働きやすい仕組みが整っています。
従来、日本の社会は、“男社会”と言われるように、男性中心の考え方で仕組みが作られてきましたから、女性を積極的に活用している企業は、“改革”を行った結果と言えるでしょう。
働きたい女性は、多いが、働きやすい企業は、少ないというのが、現実ではないでしょうか。女性に人気のある企業は、社会的によいイメージをもたれているようです。また、マーケティングの観点でも女性の視点は欠かせません。要は、これからの“女性の活用”は、経営課題とも言えるのです。
“それでは、何を、する?”と、言うことですが、意識付けと能力開発なら、教育という方法があります。これまで、あまり教育投資をしてこなかったので、女性職員の研修をやろう、ということです。
それは、大変よいことです。これまで多くの女性対象の研修を担当してきましたが、あまり研修参加の機会がなかったせいか、“研修づれ”しておらず、とても真面目で、能力の高い受講生が多いです。新入社員からベテラン、パートさんまで、です。
しかし、『女性職員の戦力化、成功の本質』は、別のところにあります。それは、次のtopicsで。