将棋の対局と営業の商談

 将棋の対局を見た。礼に始まり、礼に終わる。交互に駒を動かしながら勝利を目指す。次に相手は、どういう手を打ってくるのか、自分はどう対応するのか、どのように対局を終えるのか、指し手は、先の先の先まで想定して、最善の手を打つ。

 その様子は、商談に似ている。目標をもって臨んだ商談で、望む結果を得ることが“営業の勝ち”であるなら、営業にも勝ち負けがある。特に、商談の終盤に訪れる交渉から成約の場面は、勝負の色合いが強い。プレッシャーが掛かる中で“駆け引き”もある。腹の探り合いというものだ。

 勝率の高い棋士は、相当数先の局面まで、“読み”ながら駒を進めているそうだ。高業績を上げる営業もアプローチからクロージングまで、様々な布石を打ちながら慎重に商談を進め、成約に至る。

 『説得型営業』には、商談技術が不可欠だ。セールス・トークとセールス・ツールを武器にシナリオをもって商談を進める。相手を説得できたら、営業の“勝ち”とする。

 将棋は、相手に“勝つ”ことを目的とする競技だ。しかし、営業の目的は、相手に“勝つ”ことではない。長く取引を継続させ、結果として大きな成果を上げることにある。そのためには、『相手を負かしてはいけない。』負けた相手は、その営業と二度と取引をしないからだ。それが、『説得型営業』の過剰使用の結果であり限界だ。

 『説得型営業』の次のステージには、Win-Winの関係をつくり継続的な取引を可能にする『提案型営業』がある。

 レベルの高い対局では、“勝ち負け”のその先に、人として認め合い、学び合い、尊敬の念まで発展する世界があるのだろう。それは、営業も同じだ。

将棋も営業も奥が深いのだ。

 

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