コミュニケーションの各論としてのアサーション≪最終回≫

 アサーティブな話し合いをするためには、教育が必要だ。アサーションという言葉は、一般的ではないし、考え方も独特である。そして、実践においても何がアサーティブなのか、わかりづらい。従って、研修でスキルを身に着ける必要がある。

 研修を受講しても講師の力量が不十分であれば、反発を招くこともある研修だ。考え方と表現を学ぶプログラムなので、“それが、アサーティブなのか”、“それで、話し合いの決着がつくのか”など、受講生が現実との乖離を感じる場面が少なくない。

 プログラムは、1日ならば①アサーションの定義②アサーションが望まれる背景と成果③アサーティブな表現④ケースを活用したロールプレィングで、構成する。

 特に重要な項目は、『アサーティブな表現』のエクササイズで、数多くアサーティブな表現に書き換える訓練だ。『誠実』、『率直』、『対等』、『自己責任』を指標に、自分で表現を考える。よりアサーティブな表現は、何かと考える。(それぞれの指標の意味も教える。誠実とは、何か。そもそも日本語も難しい・・・)

 そして、そのクライアントの日常をケースにして、より状況を理解した上で、どのようなコミュニケーションを図るか、ロールプレィングを行う。できるだけ、職場適応を促すために、既存のケースではなく、その都度作成することが望ましい。

 最近は、女性管理職登用の話題が多い。これまで以上に女性対象の研修が増えるだろう。適材適所が人事の原則なので、スキルアップした上での登用ということになる。女性はコミュニケーションに優れていると思われがちだが、そうとも言えない。ビジネス・マナーは身についているかも知れないが、問題解決のための議論や責任を伴う発言を避ける傾向がある。

 相手に気を使いすぎたり、人間関係を重視したコミュニケーションだけでは、責任のある地位では活躍できない。また、自分が傷つきたくないという欲求も強い。しかし、アサーションを学ぶことでお互いが幸せになるための積極的なコミュニケーションを促すことができる。

 年明けのアサーション研修は、全員が女性だ。≪以上≫

 

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