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「目標管理制度」運用の問題点と解決手段。
「組織運営の健全度調査」の「人事施策」の構成要素の一つに「目標管理制度」がある。
組織目標を達成する施策だが、不健全な運用によって効果が出ていないケースが多い。制度設計にほとんど瑕疵がないと前に書いた。
Webアンケートの結果を見てインタビュー調査をおこなう場合がある。目的は特徴的なデータが出た場合、当事者にヒアリングして実態を把握することにある。
インタビュー調査をしなくても、研修を通して運用実態を把握することができる。実習「目標管理の現状点検」をおこなえば、W.Bに“うまくいっていないこと”が列挙される。
「自己統制による目標管理」が、性善説に基づいていることは広く知られている。管理者からすると「自分の部下を性善説では見れない」という。
①やる気がない②うそをつく③自分で決めない④さぼる⑤話をしない⑥拒否する⑦上司に反発する、などなど。
「人は自ら決めた目標を自ら達成しようと意欲的に取り組み、目標達成によって充実感を得て成長するものだ。」
上司に言わせると、実際は違うらしい。
≪続く≫
「人事施策」は、健全に機能しているか。
「組織運営の健全度調査」の人事施策の構成要素の一つである「目標管理制度」は健全に機能しているか。
目標管理制度を導入している企業は多い。企業は、目標管理制度はなくても目標を管理している。(制度がなくても目標は管理できる)目標のない企業はなく、目標達成を目指さない組織運営もない。
調査では、制度内容ではなく目標管理の実施状況を調べる。健全な目標管理の方法を前提にどのように実施しているか、5段階尺度で調べる。
実施状況が不健全なら調査後に、計画的に健全化の取り組みをする。制度設計や改定、運用教育がそれだ。
今週は、2日間の「ライン管理職研修会」をおこなった。内容は、「目標管理制度」の運用研修だ。ライン管理職は、部下をもち職場の目標達成に責任をもつ管理者だ。
ライン管理職は、「目標管理制度」の運用責任者であり、制度を健全に運用し目標達成を目指す。そのためには制度運用能力の開発が必要なので研修をおこなう。
多くの場合、目標管理制度に大きな瑕疵はない。時代に合わせた制度・ツール改定は必要だが運用力でカバーできることも多い。運用力とは経営管理の健全性のことである。
人事施策は組織運営に強い影響を与えるので(規則は守らないといけない)、健全な施策であるべきだ。健全な人事施策があれば、経営管理は制度を守ることによって次第に健全化する。
健全な人事施策も経営管理が不健全であれば正しく運用されず形骸化する。したがって、制度を健全に運用するための教育が重要だ。
「人事施策」と「経営管理」は、組織の中で互いに影響を与え合っている。
≪続く≫
不正の発生=動機×機会×正当化
個人や集団に不正の動機があり機会があり正当化する理由がある時、不正が起きる。
「組織運営の健全度調査」は、組織運営に不正の動機づけ、不正の機会、正当化の根拠がどの程度あるか、全職員に確認する調査である。
個人と会社は密接した関係にあり、個人の不正行動は組織運営に原因があることが多い。多くの人々がそれを認めているから法律によって労働者が保護され、メンタルヘルスのケアを企業に求めている。
研修も行われているが、受講生の認識は不十分で個人の意識差も大きい。したがって調査データによって、自分の職場はどの程度健全なのか理解し、問題意識を高め教育効果を高めることが必要だ。
不正の動機を、個人の「金銭問題」「精神的な弱さ」「いい加減な性格」などと決めつけることで組織に原因がないことにしようとするが、それこそが不健全な組織文化であり本質的な問題解決にはならない。
個人のメンタルや行動は、組織運営が大きな影響を与えている。健全な組織運営であれば、職員は長く働き、成長し、組織に貢献し、生活を安定させてよい人生を送れるはずだ。
組織が変わる時~電通事件~
電通事件は、1991年8月27日に電通の新入社員が過労自殺した事件だ。この社員の長時間労働について使用者である電通に安全配慮義務違反が認定された。
電通事件は、労働基準法違反であるとともに、これからの「働き方」、メンタルヘルスやパワーハラスメント、過重労働、組織文化などの観点から多くの関心を集めた。
そして「鬼十則」は、社員手帳から消えるようだ。
「鬼十則」は、社員の行動規範なので正に「組織文化」の象徴だ。これまでの電通の「組織文化」や「経営管理」に大きな影響を与えたはずだ。
その結果、今日の業績やブランド、社会的な評価を得てきた。
今回の事件によって「鬼十則」を公に目にすることはなくなるだろう。社会の論調は、まるで「鬼十則」が今回の事件を招いたと言わんばかりだ。
本当にそうだろうか。電通事件の本質的な原因は「経営管理」だ。「鬼十則」の本質の理解と健全な経営管理によって不祥事は未然に防げたはずだ。
「組織文化」の象徴を取り下げることによって反省と改革の姿勢を示した格好だが、新しい象徴を創り、健全な「組織文化」を醸成することは簡単ではない。
「組織が変わる」最大の要因は、社会からのプレッシャーだ。残念なことに企業は、不祥事を起こさなければ本気で改革を始めない。
組織に不正発生の要因は、どの程度あるのか?
「組織運営の健全度調査」は、コード設定によって部門別、階層別、等級別、年齢別、性別などのデータを収集することができる。
無記名回答が前提であり一般職員が本人特定されないようコード設定で考慮する。
本調査は、現状では個人が不正を犯しているか、これから不正を犯す可能性を判断するツールではない。今後、データを蓄積することによって予見できる可能性がないとも言えない。
本調査は、組織に「不正を発生させる要因」がどの程度あるか、調査する。
個人が不正を犯す要因は、多岐にわたる。組織として重要なことは「組織の対応として、不正発生要因を軽減させている、未然防止策を講じている」ことである。
組織対応が不十分で、繰り返し不正が起きることは、組織としての大問題である。個人が不正を犯した場合、「個人の特性や個人の都合」と判断するなら再発する可能性は高い。
職員の不正の要因や未然防止は、組織運営と密接に関係している。
不正が発生する要因は、「不正のトライアングル理論」を活用している。
「不正のトライアングル理論」とは、米国の犯罪学者、ドナルド・R・クレッシーが横領を題材に行った実証研究により導き出した仮説だ。
≪続く≫


