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「率先垂範」の実習

2015年07月19日

 OJTの基本姿勢として、「率先垂範」の意思を問うている。要は、後輩指導をする上で「指示」や「説明」のみではなく、自ら「やって、見せる」気持ちがあるか、ということである。

 できる先輩ができない後輩に対して、見本を示すことが重要であることは理解できる。そのためには、準備が必要だ。どのような実習が有効だろうか。

 1)指導すべき後輩を選ぶ。

 2)後輩のうまくやれない業務や行動を思い出し、「率先垂範」のテーマを選ぶ。業務だけでなくビジネスマナーや職場のエチケット、接客応対など広範で選ぶ。

 3)ワークシートに「率先垂範項目」を書く。

 4)そのテーマの自分のレベルを自己評価して書く。(これまでの実績や成果、業務の質、量、他者からの評価)

 5)“自分のやり方”を時系列で詳細な進め方を書き出す。

 6)準備ができたら、ペアを作り、お互いに説明する。

 7)説明が終わったら、相手の質問に対して応答する。

 ポイントは、経験者がもつノウハウの「見える化」にある。“できる”けど、“書けない”受講生は多い。“今、書けない”ことは、“説明できていない”はずだ。“質問されれば、答えられるが”、“何を質問したらわからない後輩”も多いので、結局“準備不足の率先垂範”は、効果的ではない。

 ペアリングは、業務を知らない別の部署同志の方が都合がよい。“そこから、教えるの?”と思うくらいが、よい準備になる。

 最後に、「今回は、一業務の準備をしたが、これからたくさんの率先垂範できるよう、ワークシートを増やそう。」と言う。


「研修受講アンケート」より

2015年07月18日

  今週の「若手リーダー研修」の受講アンケートが届いたので、一部紹介します。

1.本講座の中で、興味を持った・参考になった等、感想や心に残ったことをお聞かせください。

 ・キャリアビジョン、10年後の自分を考え、日々の行動に移していくことは大変重要であると気付きました。単純に毎日を過ごしていましたが将来への計画を立てることを実践していきたいと思いました。また後輩の指導については意識が低かったと思います。自分に余裕がなく、又そういう立場にないと感じていましたが研修を受け自身への期待、使命を理解し行動に移したいと思いました。

 ・役割には2種類あり、リーダーになるには、状況的役割を果たしていくことが重要だと感じました。後輩に指導する時、仕事の進め方を整理して教えたり、その仕事の重要性を説明してなかったので、今後気を付けたいと思いました。

 ・普段から、報・連・相を意識していますが、実際に上司に伝えなければならないことを書き出してみると、足りていないと感じました。コミュニケーションという観点からも上司への報・連・相はさらに細目に行っていきたいと思います。昨年、2年目の職員の指導を行いましたが、指導6段階とは程遠い指導でした。また、ほめ方、注意の仕方も併せて学びましたので、次回以降しっかりと計画的に指導していきたいです。

 ・単にリーダーシップといってもリーダーに求められる能力やスキルは挙げればキリがないと思いました。リーダーシップを発揮するためにはまず自分を見つめ直し、理解するという事がとても重要であると感じました。それから報・連・相等の基本的スキルやコミュニケーション能力を高めることで理想的なリーダーシップが発揮できるのだということを今回の研修で学びました。今まで意識していなかった部分にも気付くことが出来たのでとても有意義でした。

 

2.その他、ご意見・ご要望等お気づきの点がございましたらご記入ください(講義内容に関する質問等でも結構です。)

・グループワークが多く、非常に楽しく研修を受けることが出来ました。

・グル-プの中で一番年上だったため若い世代の経験を聞けたことが良い刺激となりました。

・解説・講義のみではなく実習を含めながら1つ1つの項目を自ら思考させることで身に付させようという意図が伝わってとても良かったと思います。

・上司・副支店長にも2日目と同じ内容の研修を行ってほしい。

・今回の研修内容をこれからの業務で活かしていきたいと思います。

・グループワークが沢山あり、とても充実していました。

 

以上、皆さんお疲れ様でした。


「若手リーダー研修」のコンセプト

2015年07月17日

 今回の研修では、若手リーダーを次のように定義した。

 若手リーダーとは、

1.自分の将来をしっかり考えられる人。

2.周囲の期待に応える人。

3.計画的に仕事ができる人。

4.周囲の人とコミュニケーションをとれる人。

5.後輩を指導できる人。

 2日間で、1~5を順番に学べるプログラムを実施した。

1は、キャリアデザイン。

2は、期待役割。

3は、PDCA。

4は、コミュニケーション。

5は、oJT。

 それぞれのテーマを、講義、自己診断、実習、演習、発表でプログラムを構成している。

 リーダーシップのスキル習得も必要だが、リーダーのイメージを持たせることが重要だ。若手社員なので、具体的な人物でイメージを持たせる。

 今回は、歴史上のリーダーのランキングをイラストで紹介した。手元の資料によると第1位が織田信長、第2位が坂本龍馬、第3位が西郷隆盛とある。そして現代版として、新入社員が望む理想の上司(男性上司・女性上司)を紹介した。

 「リーダーらしさ」を学ぶために、特定の人物を分析し、要素を書き出し、真似ることでリーダーらしくなることができる。講義だけで「リーダーらしさ」を伝えることは、むずかしい。また、考えさせることはむずかしい。

 もっと具体的に、周囲の人たちに「どうしたら」リーダーと認められるかが、課題だ。周囲からリーダーと認められた人が、リーダーなのだ。

 


新しい時代のマネジャー像(7)研修②

2015年07月16日

 今週は、一般社員を対象に2日間の「リーダー研修」を行っている。

管理者研修との連動性はないが、いずれ管理者になる一般社員は、「リーダー」を目指す。役職は係長や主任だが、当面求められる役割はリーダーだ。

 これまで、プロ・マネジャーの必要性や制度、教育について書いてきたが、育成過程における通過点として「リーダー」の経験は重要だ。

 マネジャーの早期キャリア選択は重要だが、登用までには時間が掛かる。当面の目標としてリーダーを目指し、マネジャー就任までの経験を積ませればモチベーションは持続する。

 また、リーダーを経験させることで、マネジャーへの選抜、適正評価、キャリア面談によるコース変更を行うことができる。

 「マネジャー研修」「リーダー研修」を行っている会社は多いが、前提は「複線型人事制度」があり、「キャリア開発制度」の中で、「教育体系」に基づいて計画的に実施されることが重要だ。

 本人のキャリア選択による意思決定と周囲がマネジャー候補と認識して接することが、プロ・マネジャーを育成する環境となる。


ギャップに悩む管理者。

2015年07月15日

 研修の現場では、多くの管理者を知ることになる。これまで様々な業界業種、企業規模の管理者の欲求を確認してきた。その立場に望ましい欲求と実際のギャップに驚く。

 管理者の立場で望ましい欲求は、「目標達成欲求」「責任欲求」「競争欲求」だ。8割以上の管理者の欲求は低い。年々、欲求が低下している印象だ。欲求が低いことが悪いわけではない。

 本人の欲求と立場に求められる欲求に大きな差異がある場合、ストレスになる。望まないことを求められるからだ。欲求は無意識に行動に表れる。それを周囲に見られた時、改善を迫られる。多くの管理者が「自覚」をもち、行動を変える。

 教育では、“もう、管理者の立場なのだから、意識して改善しましょう。”となるのだが、どうしても無理をしてしまう管理者が出てくる。

 本人にとっても部下にとっても会社にとっても不幸な結果になることがある。

 早く自分を理解し、自分のキャリアを選択し、最も活躍できる環境で能力を発揮すべきだ。「複線型人事」は、人間尊重の成果に直結する施策だ。

 会社は、環境整備を急げ。


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