新着情報


間接部門の目標設定の方法

2015年07月14日

 「総務部だから目標がない。」という管理者がいる。目標とは、数値目標のことだと理解している、らしい。会社は目標管理制度を導入している。いかに運用教育をおろそかにしているか、わかる。

 本人は、まじめにそう言うのだ。これでは、制度導入の効果はない。

 ≪間接部門の目標設定のポイント≫※弊社テキストから抜粋。

間接部門の目標設定は、定型業務が多く目標設定が難しいので、以下の視点で設定しましょう。

■現状の仕事レベルを維持し、ラインの仕事が円滑になるようにする。

1)定量化できない仕事の場合

①仕事の目標と自分の役割から目標を考える。(考えさせる)②期末にどのようになっていればよいか、をイメージして目標を設定する。

2)受け身の仕事の場合

①提供する仕事の質を目標にする。②依頼に対する仕事のスピードを目標にする。③提供した仕事の貢献度合いを目標にする。④費用と仕事のバランスを目標にする。⑤依頼を受けるための関係部門への働きかけを目標とする。

3)定型業務の場合

①ミスをしないことを目標とする。②処理スピードの向上を目標とする。③業務改善を目標とする。④仕事量を目標とする。⑤能力開発を目標とする。

4)長期・不確実な業務の場合

①最終の出来上がり時点での目標とする。②途中の目安となる状態を目標とする。③作業スケジュールを目標とする。④作業によって蓄積されるノウハウを目標とする。

以上

 仕事には必ず目標があり目標達成が動機づけになるので、管理者は、職場の使命や役割を十分理解して、目標を設定しましょう。


新しい時代のマネジャー像(7)研修①

2015年07月13日

 先週は、管理者研修(2日)を2コース実施した。

 新任管理者研修では、マネジメントの基本を幅広く学ぶが、目標管理を中心にプログラムを組んでいる。今日では管理者が目標達成を強く求められるためだ。また、マネジメントの目的でもある。

 多くの企業で、目標を達成する仕組みとして目標管理制度を導入している。(制度がなくても目標管理はできる。)

 目標管理制度が機能していれば、目標は達成されやすい。しかし、多くの場合、目標管理制度はうまく機能していない。だいたい制度に大きな問題はない。運用に問題がある。運用力は教育で向上させる。

 「目標管理シート」は使っているが、「目標達成支援シート」を使っている企業は、ほとんどない。「目標達成支援シート」は、目標設定をする前に管理者が作成するシートだ。

 本来、目標管理制度は性善説に基づいた、部下の意欲を高めて目標を達成する仕組みだ。実際の運用は「ノルマ管理」になっていることが多い。本来の思想とは真逆だ。

 部下自身の適切な目標設定の拠り所は、上司からの情報提供だ。職場が何を、どのように、どこまで目指すか提示することによって、部下は自分の適切な目標、役割を判断することができる。

  「目標達成支援シート」は、①部門目標②職場目標③部門方針④職場方針⑤職場の課題⑥職場の重点活動⑦職場メンバーへの期待⑧職場メンバーへの支援、で構成する。

 性悪説でノルマ管理の企業は、管理者からの情報提供はない。それは「難しい」からだ。管理者が「方針」「課題」「重点活動」を考えられないから部下に説明しない。要は、管理能力が低いから「簡単」なノルマ管理を行う。

(ノルマ=norma:ロシア語。一定時間内に果たす個人、集団の標準作業量をいう。目標管理では、標準作業量ではなく挑戦目標として、上司の権限委譲や指導、部下の自己統制と創意工夫で達成を目指す。)

 目標設定面談の前に、職場メンバーに対して上司がプレゼンテーションを行い、今期のマネジメント方針を理解させる。その後に、部下に目標を考えさせ面談で摺合せを行う。

 研修では、シートを書いた後にグループ・メンバーに対して説明する実習を行う。説明5分、アドバイス2分で全員が説明する。


新しい時代のマネジャー像(6)育成

2015年07月06日

 マネジャーの育成は、環境整備が重要なので、SDとOJTとOff・JTを組み合わせて行う。新入社員からのマネジャー育成は、時間とコストが掛かるために、計画的かつ効果的に進める。

 基本方針は、選抜型の育成だ。集合研修は、選抜型としてマネジャー・コースのキャリアを選択した者を対象とする。同じ志をもった受講生が切磋琢磨できる環境を整える。集合研修の効果は、受講生の質で決まる。

 これまでの集合研修は、意識の高い者と低い者の混合型で行われている。一般的に意識の低い受講生に対して有能者が同調行動をとる(遠慮する)傾向があり、デベロップメント(開発)しないのでマネジャー教育には向いていない。

 そして、選抜研修の実施時期は、新入社員研修から始めて、各年次・階層別で体系化する。


新しい時代のマネジャー像(6)キャリア開発

2015年07月05日

 選択をしても能力がなければ成果を上げられない。会社は、キャリア開発の仕組みつくる。

 キャリア選択をした時点で動機づけできているので、モチベーションが高く学習効果は高まる。育成方法は、SD(自己啓発)、OJT(職場内訓練)、Off・JT(集合研修)の3種を組み合わせる。

 特にこれからは、SDの割合を増やしていく。これまで、SDが進まなかった理由は、キャリア選択をさせず、目標をもたせなかったためだ。(何のために、時間と金を掛けて自己啓発するのか?)

 自分のキャリア開発は、自己責任で進める。会社はSDに対してキャリア開発制度で支援する。これまで多くの予算を掛けてきた平等なOff・JTの教育体系を見直し、SD支援に予算を割り振る。

 特に知識教育は、全てSDにするか、ローコストのEラーニングにシフトする。Off・JTはマネジャー育成に特化させ、階層別研修を柱として設計する。

 スペシャリストの育成は、OJTを中心に経験者の技術伝承によって実務能力を成熟させる。資格取得を奨励し、費用、学習環境をキャリア開発制度で支援する。

 キャリア開発制度とマイスター制度を組み合わせることで、再雇用者にインストラクターの役割を与え“活躍”の場を与えることができる。多忙なマネジャーのOJTを支援すると共に再雇用者の活性化を同時に実現することができる。


新しい時代のマネジャー像(5)キャリア選択

2015年07月04日

 キャリア選択は、早い方がよい。早くスタートした方が早くゴールできる。会社や組織には、計画を立てる人と実行する人、決める人と従う人、マネジャーとメンバーがいる。

 組織は目標を効率的に達成するために役割を分担している。自分はどの役割を選ぶのか、選択は早い方がよい。成熟に時間が掛かるからだ。昨日今日の選択で、十分な役割を果たすことは難しい。選択が遅いと準備不足のため求められる成果を出せない。

 マネジャーにしろ、スペシャリストにしろ一定のレベルに到達するには、時間が掛かる。一定以上のレベルなら、どこでも、長く働ける可能性が高い。そのためには、目標をもってキャリアを重ねる必要がある。

 どちらもメンバーからキャリアをスタートさせ、組織で働く基本を学び、機会を得てキャリアを実現させる。(日本の新卒採用は、キャリアをスタートさせるに当たり、とてもありがたい仕組みだ。)

 自分がマネジャー志向かスペシャリスト志向かは、学生時代に考えることだ。それまでの人生で“何となく”でも自分の志向性が分かるだろう。意識して、自分を見つめていれば、よりはっきりする。

 早期キャリア選択は珍しいことではない。職人のキャリアは、スタートが早い。国内でも国外では、先祖代々職業を世襲する仕組みはある。早く始めれば、成熟も早い。

 サラリーマンのキャリアは、大卒なら22歳からの“何となく”のスタートだ。“人に従いながら、迷いながら”の毎日でモチベーションが上がるだろうか。

  学生時代にすることは、自分を理解し、自分のキャリアを自分で意思決定することだ。(単位取得より優先順位は高い。)社会に出る前の準備だ。意思決定していない学生が、内定を取れないのだ。

 “自分探しの旅”は、学生の特権だ。

 マネジャーになる選択をして、メンバーとしての経験を積めば学習効果は高い。マネジャーに登用されるころには、十分準備ができている。“自分を試そう”と思うから、モチベーションも高い。

 マネジャーのキャリア選択は、就職前から始まっている。


≪ 過去の記事 | 新しい記事 ≫