「攻め」の事業推進と「守り」の健全化

 あらゆる市場に競争がある。同業者、新旧事業者、異業種参入者と市場で優位に立ち利益を得るためには競争に勝つ必要がある。同業・新旧の競争はお互いをよく知っているので対応しやすいがいきなり現れる異業種との競争は難しい。

 異業種からの参入者は十分な準備をして参戦してくるので、既存事業者が有利とは限らない。

 今、もっとも大きな脅威は市場環境の変化だ。今日の環境変化はまるでオセロゲームのようだ。一瞬で白黒が逆転する。既存事業者の優位性である信用、実績、技術、設備、商品、販路、権利、資産など無価値になってしまう。

 競争市場で勝ち残るには「攻め」と「守り」の両方が重要だ。既存顧客の維持拡大と新規顧客の開拓は事業推進の基本であり、「攻め」によって成果を得る。この役割は営業店が担っている。最近は、短期的な成果を求める傾向が特徴だ。

 一方、「守り」は獲得した信用の維持増大で、長期間の努力によって市場からの認知を得る。事業推進の成果とも言えるが、本部による積極的な「守り」によって成果を得る。

 積極的な「守り」とは、営業店が健全な事業推進ができるように、本部が組織の環境を整えることだ。この役割は本部が担う。「企業文化」の醸成や「人事施策」、「経営管理」のレベルアップをおこなうことによって、営業店を後方から支援する。

 組織の不詳事件は、これまで守ってきた「信用」を失う。競争におけるマイナス要因であり、営業店の「攻め」の士気は下がり、「防戦一方」の戦いになる。これでは競争には勝てない。

 競争状況で「オウンゴール」をしてはいけない。「失点」が不利であることを理解しているから「隠ぺい」をする。「隠ぺい」は不健全な判断だ。

 組織の健全性が下がると、不祥事件の確率が高まる。

 したがって、「組織の健全性」をコントロールし、不祥事件が起きないように積極的に「守り」を固めるべきだ。「健全性」は何もしないで高まるものではない。むしろ競争が激しくなるほど組織はストレスを感じ「健全性」が低下する。

 「競争」を健全に楽しめる人もいるが、多くの日本人は「争い」を好まず、「戦う」ことに慣れてない。「戦い」のストレスを健全に処理できる能力は高くない。

 したがって、組織は「攻め」と同時に「組織の健全性」を高める積極的な守りが必要だ。 

 不祥事件は、これからも起きる。

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