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(4)なぜ、投資信託販売業務における虚偽報告等がおこなわれるのか?

2018年10月05日

(4)投資信託販売業務における虚偽報告等
①投資信託販売や投資信託購入者に対する事後対応について数多くの支店において多数の職員が実態と異なる虚偽報告等をおこなっている。
②本件について、前回の当局検査において同様の指摘がなされているが当時の再発防止策は抜本的な改善策とはなっておらず再発している。

≪Point≫
・以上の要約から、本件のポイントは3点ある。虚偽報告等をおこなっていること。数多くの支店で多数の職員が等をおこなっていること。再発していること。

・健全な組織運営は、計画-実行-評価―改善の順序で進める。

・業務は、業務計画に基づき上司の指示で部下が実行し、部下は事実を報告する。部下は評価を得て改善を検討する。改善を次の業務に活かせばもっとよい業務遂行になる。

・報告は、上司の指示に対して部下が途中経過、結果の事実を伝える。部下の報告内容が虚偽ならば不正である。

・上司が虚偽報告と知っていて、修正を求めなければ不正である。虚偽報告を見抜けなければ管理能力不足である。

・虚偽報告が再発しているということは、職員は正しい「報告」ができないのではないか。上司は、正しい「報告」を指導できないのではないか。

・数多くの支店において多数の職員がおこなっていたということは、上司も部下も虚偽という認識がなかったのではないか。または、虚偽と認識して業務を継続していたのではないか。

・再発防止策の作成は、健全化の不可欠な手続きである。しかし、具体性に乏しい内容や形式は整っているが現実的でない計画もある。

・監督する側も主体性を重んじるばかり、“自分たちで考え、つくったのだから”と受け止め、作成した側も“何も指摘されなかったのだから”と安心してしまったら、内容は精査されないこととなる。

・効果的な再発防止策であれば、再発の原因は実行する側の意識と能力にある。実行する側の健全化の意識や管理能力、実行力が不十分なら改善策は進まない。

・本件の原因は、組織文化【内部統制】【意思決定】【改革性】、経営管理【計画立案】【役割分担】【目標設定】【コミュニケーション】【チームワーク】【支援・協力】【部下指導】【コンプライアンス】【評価】【改善】、人事施策【目標管理制度】【人事評価制度】の健全性要素に関係している。

 本件は、数多くの支店での多数の職員による不正かつ再発なので組織運営に原因があると考え、健全化のテーマとして改善に取り組む必要がある。

 健全度調査後に、関連原因を分析し、再発防止策、制度、教育の組み合わせで健全化を進める。

≪続く≫

 


健全化は、制度と教育の組み合わせで。

2018年10月04日

 先日の信用金庫協会「初級マネジメント研修会」では、「労務管理」に多くの時間を割いた。

 「初級マネジメント研修」は、初めて管理職に就いた職員が対象だ。管理職の役割と部下の活用を学ぶ。管理者の役割である職場の目標達成のためには部下が働きやすい環境を整備する必要がある。

 今日の組織マネジメントでは、管理者がリーダーシップを発揮して“働きやすい職場”をつくり、全員で成果を上げることが重要だ。

 “働きやすい職場”は、健全な労務管理があって成立する。労務管理は、管理者の役割であり、各職場が健全であれば組織全体が健全化に向かっていく。

(組織は、単純に職場の総和ではないが健全化の前提として重要である。)

 「労務管理」には、時間外労働の削減やハラスメント、メンタルヘルスも含まれる。

≪研修テキストより≫

●労務とは、報酬を受け取ることを目的とした労働勤務です。労務管理とは、部下が職場での役割を果たせるように労働環境を整備することです。

●日本国憲法は、「全て国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」(第27条第1項)と定められています。

●働く権利と義務を定めた法律の総称を「労働法」といい、さまざまな法律で定められています。

●管理者は、部下を管理するに当たり、労働者の労働条件の最低基準を定めた「労働基準法」を理解しましょう。「労働基準法」は、強制的な義務を定めた強行規定ですので守らなければなりません。

 改めて「労務管理」を理解し運用することが組織の健全化に不可欠だ。法律や規則を知り、コンプライアンスの重要性を理解し、運用力を高めることで組織の健全化は進む。

 「労務管理」は、使用者と労働者の共通の理解によって健全に運用される。

 健全な人事管理制度や就業規則を設計し、管理者の管理能力で運用する。組織運営の健全化は、制度と教育の両面アプローチで進める。

 


(3)なぜ、本部の牽制機能が欠如するのか?

2018年09月30日

(3)本部の牽制機能の欠如
①監査部は事務面の監査しか行っておらず不正行為が繰り返されていることを発見でき   て いない。
②融資部、営業統括部のモニタリングは支店の不正行為が繰り返されていることを発見できていない。


≪Point≫
・以上の要約から本件のポイントは、本部三部門の役割とその責任にある。


・組織は、業務効率を高めるために部門を分けて責任をもって業務遂行するとともに、他部門と連携・調整して組織全体の目標達成を目指す。


・三部門は、業務会計監査・融資審査・営業統括を通して支店の不正行為を発見できる立場にあったができていないので、部門の役割を果たしていない。

・「支店の職員は不審な状況を看過していた。」にもかかわらずモニタリングで発見できなかった。

・不正は、2017年末からの金融庁立ち入り検査で発見された。(2018.7.13日経新聞) ということは、三部門は少なくとも数年間、他の支店でも不正を発見できないまま業務を継続している。業務が改善されていないと推測される。


・部門の役割が果たされていないということは、部門管理が不十分であり、その責任は部門長にある。部門長の管理能力が不十分ならば支店の不正は発見できない、のではないか。

・本件の原因は、組織文化【透明性】【内部統制】【改革性】、経営管理【役割分担】【目標設定】【コミュニケーション】【チームワーク】【支援・協力】【部下指導】【業務への関心】【活力・生きがい】【コンプライアンス】【評価】【改善】、人事施策【目標管理制度】【人事評価制度】【キャリア開発】の健全性要素に関係している。


・本部の牽制機能には、部門長の管理能力に加えて本部職員には事務的な面だけを見て業務を進めるのではなく、支店の雰囲気や職員を見て感じる「人間力」の向上が必要だ。


・三部門の健全性は、健全度調査の「所属別コード」データで把握できる。職場改善活動で部門を健全化することで、本来の監査・融資審査・統括を行い不正の未然防止、早期発見することができる。

≪続く≫


(2)なぜ、支店における不適切な融資が行われるのか?

2018年09月28日

(2)支店における不適切な融資

 ①副支店長が営業成績を上げるために支店長を欺き、不適切な融資を多数実行させ、多額の損失を発生させた。

 ②支店長は、融資先を十分に確認せずに融資実行を決裁した。

 ③同支店の他の職員は不審な状況を看過していた。

 ④副支店長は、過去在籍した別の複数支店においても同様の不適切な融資を実行し                

  損失を発生させていた。

≪Point≫

 上記要約から、本件のポイントは2点ある。支店内で発生した不正であること、事故者(副支店長)は、複数支店で同様の不正を行っていたこと。

・店長には、業務と部下を管理して支店目標を達成する責任がある。支店内で不正が発生した。ということは、管理が不十分であったといえる。店長の管理能力が不十分ならば、支店で不正が発生するのではないか。

・事故者は営業成績を上げるために不正をした。ということは、営業成績を上げている(上げようとしている)職員は不正をするのではないか。                     

・他の職員が不正を看過していた。すると、不正の発覚は遅れるので不適切な融資が多数実行され、多額の損失が出る。不正を看過していた理由は不明だが、支店の職員であるので店長の部下指導が不十分であったのではないか。ならば、部下指導が不十分なら職員は不正を看過するようになるのではないか。

・事故者は、複数支店で同様の不正をしていた。ということは、本件同様に管理能力の不十分な支店長が複数いるのではないか。ならば、会社は複数の管理能力の不十分な店長を育成・評価し、処遇してきたのではないか。

・本件の原因は、組織文化【遵法意識】【透明性】【内部統制】、経営管理【目標設定】【コミュニケーション】【チームワーク】【部下指導】【ストレス】【コンプライアンス】【評価】、人事施策【目標管理制度】【人事評価制度】【キャリア開発】の健全性要素に関係している。

・支店内の未然防止策は、店長の健全な経営管理が現実的な対策であり業務管理能力とともに、「人間力」が求められる。

・他の職員が不正を看過している、という点も支店の不健全性を表している。健全度調査の「所属別コード」で支店ごとの健全度がわかる。

・あと少しで不正が発生する「限界職場」が、見つかるかも知れない。 

≪続く≫
 


(1)なぜ、顧客の利益を害する業務運営をするのか。

2018年09月27日

 関東財務局は、検査・報告によって処分の理由として、4点指摘している。

(1)顧客の利益を害する業務運営
①複数店舗でサービス内容が不明または手数料の算定根拠が不明な融資実行手数料を徴求した。
②実質両建となる担保定期預金を顧客から徴求した。
③手数料の徴求が禁止されている制度融資の実行先から手数料を徴求した。

≪Point≫
・上記事実から、不正は「組織活動」として「日常的」に「業務」として「実行」していた。

・不正は「組織活動」として実行されていた。ならば、「上位者から方針が示され、直属の上司が判断し、部下に指示し、担当者が実行し、上司に報告し承認されていた」のではないか?

・ということは、「上位者が不正を誘発させる方針」を出さない。「直属の上司が不正を指示」しない。「担当者が不正を実行」しなければ、不正は起きなかった。

・組織活動として不正が行われる場合に、組織の構成員は同調行動を取るので未然防止は難しい。

・組織による不正は、さまざまな立場の職員が関与するので、その行動に影響を与える要素は多数ある。

・本件の原因は、3分野25要素のうちの組織文化【遵法意識】【意思決定】【顧客志向】【内部統制】、経営管理【コミュニケーション】【チームワーク】【部下指導】【活力・生きがい】【評価】【改善】、人事施策【目標管理制度】【人事評価制度】の不健全性にある。

・組織活動の不正防止は、不正に関与した職員だけでなく組織運営の全体を調査し、要素別の健全化計画を作成し健全化を進める必要がある。

≪続く≫

 


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