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不祥事件が起きる予兆。

2018年09月26日

 東日本銀行の業務純益は、2011年から毎年減少していた。2016年4月に横浜銀行と経営統合した後も減少傾向は続いていた。

 横浜銀行は地銀最大手で、東日本銀行は事業規模も業績も見劣りする。

 経営者には下降している業績を回復しなければならないプレッシャーに加えて、グループ内(コンコルディア・フィナンシャルグループ)での評価を高めようと、強いプレッシャーを感じていたと、推測できる。

 「組織運営の健全化」を目的に、ノウハウ蓄積の手段として「企業不正」を研究している。

 企業不正の研究は、不正事例の研究が有効だ。事例(事実)から不正の原因を調べて一般化(仮説)する。

 多くのデータを収集し、仮説の汎用性が高まれば定説として広く活用することができる。仮説の段階では思い込みをもたず、どんなことでも「〇〇ではないか?」と考えてみることが重要だ。

 「業績が下降傾向で、経営者が他者との比較で優位に立ちたいと強く考えた時に、組織は不正を起こすのではないか?」

 ならば、業績は確認できるし傾向も予測できるので、事前に組織運営に注意することで未然防止することができる。

≪続く≫

 

 


業績と健全性の関係。【東日本銀行】

2018年09月23日

 業績は経営の結果で、組織運営は経営の過程なので因果関係にある。

 業績が悪化すると組織運営は不健全になり、限界点を超えると不正が発生する。組織運営が健全なら業績が上がり経営が安定する。

 2018年7月13日、関東財務局は東日本銀行に行政処分をおこなった。

第1.命令の内容

銀行法第26条第1項に基づく命令

(1)健全かつ適切な業務運営を確保するため、以下の観点から、内部管理態勢及び経営              管理態勢を見直し、強化すること。
  ⅰ 法令等遵守、顧客保護及び顧客本位の業務運営、経営管理にかかる経営責任の明                  確化

  ⅱ 法令等遵守態勢、顧客保護及び顧客本位の業務運営態勢の確立と全行的な意識の                  向上
  ⅲ 営業店及び本部関係部署における相互牽制機能の確立
  ⅳ 内部監査態勢の確立

(出所:関東財務局Webサイト)

 主な処分理由は、●融資に伴う不正な手数料の徴収。(全83店舗中、69店舗)●「歩積み両建て」による融資。(全83店舗中、50店舗)●複数の支店で、支店長・副支店長による不正融資。●投資信託販売における虚偽報告。

 「企業不正の研究」の分野の「不詳事件の再発防止」の検討は、なぜ、不祥事件が起きるのか(背景)、どのように不正がおこなわれるのか(過程)を調べて、どうしたら不正を防げるのか(防止策)を検討する。

≪続く≫


健全な組織運営とは。

2018年09月20日

 どのような組織も運営されてこそ組織の意味がある。組織運営の結果が経営の成果に表れる。組織は、「特定の目的を達成するために専門的な役割を持つ部門で構成されている集合体」と定義する。

 組織の運営はそもそも難しく、健全な組織運営は更に難しい。

 健全とは、人に例えれば心身ともに健康な状態だ。常に健康な状態を保つことは難しいだろう。人それぞれ体質があり、体調は日々変化する。年齢を重ねれば体力が低下したり、ケガをしたり、抵抗力が落ちたり、病気になりやすくなる。当然、誰しも寿命がある。

 しかし、自身の健康状態を知ることで、体調管理や疾病予防、体のメンテナンスでケガを防止することもできる。病気になったとしても、的確な診断によって効果的な治療を受けることができる。 

 組織も同じ理屈だ。組織における健全性とは、「構成員である社員が活き活きと働き、ルールを守って適切な成果を出している」状態だ。組織をできるだけ長生きさせることが「組織運営の健全化」の目的だ。

 ただの長生きではなく、健全な状態を長く維持させることが重要だ。組織は、不健全な状態になると「不祥事件(不正)」が起きる可能性が高くなる。重大な不祥事件は組織の寿命を縮める。

 人の健康が変化するように、組織の健全度も変化する。健全性をどのように測定し、維持・改善させるかが、「組織運営の健全化の課題」だ。


不祥事件の未然防止に掛けるべきコスト。

2018年09月19日

 不祥事件が発覚すると、事業計画にない様々なコストが優先されることは、前回説明した。未然防止の対策がなければ、いずれ現実となる。

 未然防止策には、次のような取り組みとコストの使い方が効果的だ。 

・組織運営の健全度調査費用
・必要最小限の研修費用
・働きやすい制度づくり
・管理部門増員分の人件費

 健全度調査は、3年から5年程度を目安に組織の健康診断として定期的に実施する。現状の健全度が把握できるし、具体的な未然防止策が立てられる。回数を重ねれば健全度の変化率や経営の健全度(実績)との因果関係もわかる。

 組織運営の技術も向上し、不正の抑止効果にもなる。

 必要最小限の研修とは、階層別研修である。昨今は、業務研修や資格取得研修を重視し予算を割り当てる傾向があるが、本来業務は現場で習得すべきであり、資格は自分の能力と時間を活用して取得するものだ。

 社員は、年齢を重ね、成長し、より責任ある立場で働き、収入を増やすことがキャリア開発の基本である。そして会社は優秀なリーダー、管理者を必要としている。

 担当業務ができる人材と組織運営の責任者の要件は同一ではない。組織の健全な発展のためには、階層・等級ごとに人材を育成していく体系と研修を優先させる。

 働きやすい制度づくりを進めるためには、管理部門の増員も必要だ。現在の管理業務のままなら、むしろ人員の縮小が必要かも知れないが、管理部門が組織の健全化や改革を使命とするなら増員が必要だ。


不祥事件発覚による様々な「コスト」

2018年09月17日

 不祥事件により企業が払うコストは大きい。不祥事件前後の定量的な比較データはケースバイケースで複雑なため、ここでは省く。企業が負う様々なコストを項目からイメージしてほしい。

≪不祥事件発覚後の対応と再発防止に掛かるコスト項目≫

・当局への対応と掛かる時間
・マスコミ等への不祥事対応
・関係各位への連絡と謝罪
・管理部門増員分の人件費
・内部調査に掛かる時間と労力
・内部統制強化の時間と労力
・再発防止のための研修費用と時間
・不祥事件後の事業推進に掛かる労力
・職員の士気低下と退職リスク
・不祥事件後の採用費用増
・企業イメージ回復の費用と時間・労力


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