新しい時代のマネジャー像(2)調整能力

 職場のメンバーの多様性と出入りの多さは、以前に書いた。職場メンバーの安定感は欠くが、この状況はこれから常態になる。

 従って、マネジャーには調整能力が求められる。業務を担当者に割り当てても、様々な事情で職場を離れる。その時、業務を「誰に担当させるか」という課題が残る。

 これまでのマネジャーは、業務担当者として評価された者がマネジャーに登用されてきた。しかし、業務担当者とマネジャーの能力要件は明らかに違う。実務能力とマネジメント能力は全く別物だ。

 実務経験豊富なマネジャーの強みは、実務指導ができる点であるが、これから実務は大きく変わっていく。マネジャーの経験は、“時代遅れ”になっていく。マネジャーが経験のない業務をメンバーが担当している場合もある。

 業務は、ますます専門性が求められる。マネジャーがあらゆる業務の専門性をもつことは不可能だ。

 結局、どうすればよいかと言うと「複線型人事制度」の導入だ。マネジャーを目指す者、スペシャリストを目指す者の両者に活躍の場を与える仕組みだ。

 どちらのキャリアも経験を積んで成熟していくので、早くから自分のキャリアを決めて、目標をもって日々、研鑽を積むことが重要だ。キャリアの早期選択はリスクがあるという考え方もあるが、中途半端なキャリアを長年積む方が、よっぽど将来リスクがある。

≪続く≫

カテゴリー: お知らせ   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください